文大統領は何がしたいのか、なぜ韓国はGSOMIAで苦しむか:中国一帯一路、ロシア、反米の上海協力機構
11月23日、アメリカの『ワシントン・ポスト』に、大変興味深い記事が掲載された。
タイトルは「66年間続いた韓米同盟が、深刻な問題に陥っている」。
リチャード・アーミテージ元国務副長官と、ビクター・チャ戦略国際問題研究所の2人による記事の発表である。
この記事は、韓国の『東亜日報』(日本語版)でも紹介されている。
ここに書かれている、5GネットワークとHuaweiの問題、そしてTHAADの問題は、日本語の記事をよく見るので、ここでは説明しない。
では一体、「韓国は依然として中国の提案した多国間貿易協定(米国を含まない)に参加したいと考えている」というが、これは一体何のことだろうか。韓国は、何に参加しようとしてソるのだろうか。
中国とロシアが一致協力している
これはおそらく、「上海協力機構」において、中国が主導して、ロシアとインドと共に「新しい多国間貿易システムをつくろう」と提唱しているものを指すのだと思う。
今年2019年6月にキルギスで行われた同機構サミットで、このような提案が出たのである。もちろん中国は、アメリカによる「中国封じ込め」を警戒して、対抗しているのである。
それでは「上海協力機構」とは何か。
2001年に、中国と、ロシア&元ソ連の国の一部でつくった組織である。原加盟国は、中国・ロシア・カザフスタン・タジキスタン・キルギスの5カ国である。
この機構は、中国とロシアが一致協力しているところが、最大のポイントである。
(略)
翌年2015年には、TPP協定の全体が暫定条文の形で初めて公表された。この同じ年に、プーチン大統領と習近平国家主席は、「ユーラシア経済連合」と「一帯一路構想」を連携させるとする共同声明を発表した。
「上海協力機構」では、ロシアと中国が共にある。つまり「ユーラシア経済連合」と「一帯一路構想」の話し合いは、この機構の舞台で話し合えると言っていい。
ただし、「上海協力機構」は、軍事的性格を帯びていることは要注意である。2007年には、6カ国による初の合同軍事演習(平和への使命2007)を行った。アメリカとの軍事も含めた対立が深まるに連れて、「上海協力機構」の重要性に注意する必要が出てきた。
近年では、2017年にはインドが加盟し、現在はウズベキスタン・インド・パキスタンが加わって8カ国である。オブザーバー、対話パートナー、参加申請国、客員参加など、どんどん関連国の数が増えている。だからこそ中国は、ここで「新しい多国間貿易システムをつくろう」と提唱したのだろう。
韓国の「ユーラシア・イニシアチブ」
韓国はここにどうからむのだろうか。
朴槿恵・前大統領は、このような動きを受けて、2013年「ユーラシア・イニシアチブ」という新しい戦略構想を提案した。
メインの計画は、釜山を出発し、北朝鮮、ロシア、中国、中央アジア、欧州を貫通する『シルクロード・エクスプレス』を実現することだ。
もともとの目的は、北朝鮮をどう国際社会に編入させるかという構想から始まったという。過去の対米一辺倒の外交から抜け出し、鉄道・ガス管・送油管などを通じてロシアと連係すれば、北朝鮮を自然に経済的協力網に組み込めると考えたというのだ。
中国・ロシアが進める「ユーラシアを一つの経済圏」とする経済戦略を結びつけたといえる。この中では決して「朝鮮半島の統一」などとは言っていない。しかし、「朝鮮半島の平和」と「未来の経済領土」拡張という2つの目標を一括で達成するための布石だということだ。
文在寅大統領も、この構想を引き継いでいる。ユーラシアという概念で、南北朝鮮の融和と交流を図ることである。
前に述べたように、今年2019年6月「上海協力機構」のサミットで、中国はアメリカに対抗するような、多国間貿易協定を提唱した。ロシアだけではなく、インドをも巻き込もうとしているのだ(実際は色々ある)。
このような一連の動きに、韓国が提唱している「ユーラシア・イニシアチブ」は包括されているのである。
(略)
https://news.yahoo.co.jp/byline/saorii/20191127-00152548/
韓国人には「恐中症」という病気がDNAに刻み込まれており、旧宗主国様には何も言えません。
当然、米国もそれは知っていたでしょうけど・・・
今回のGSOMIA問題でそれは色濃く出ており、米国の対アジア専門家たちも、それを指摘し始めているということですな。
一つ気になるのが、韓国がRECPに参加しようとしているという話。
三不の誓いを立てたお隣さんが、中韓軍事同盟を画策し始めているなんて噂も出て来てますが・・・
だとしたら・・・
RECPを飛び越えて、上海協力機構に入るなんてのが一番可能性が高い気がするね。
クネちゃんとトラオくんが「ユーラシア・イニシアチブ」などと言い始めたときは、こいつら何言ってんだ?と思ったけど、中国に支配下に入り、朝鮮半島を統一すると考えるなら十分あり得そうだね。