ビットコインに潜む「不都合な真実」 | 情報は自分で習得し、自分で判断する

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笑韓しながら世界経済について勉強中。晴れた日はランニング、雨の日は読書が趣味なオッサンです。

衝撃!ビットコインに潜む「不都合な真実」

 報道を鵜呑みにしていたら危ない

ビットコインの不都合な真実とは?

中島:ビットコインについての一般的な認識には、9つほどがあります。順番にあげていくと、①多くの人が利用している。②世界中で取引されている。③高い信頼性がある。④おカネとして使われている。⑤マイナーは、いつまでもマイニングをやってくれる。⑥発行上限を迎えるのは120年後である。⑦取引量に限界はない。⑧仕組みは、皆で支えている。⑨世界を変える通貨である。

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木本:項目を見ると、すばらしいものとしか思えないです。
中島:では、それらが本当なのかを検証していきましょう。『アフター・ビットコイン』は衝撃の本と言われますが、取引を広めたい人にとっては不都合な真実を明らかにしてしまったので、ビットコイン取引所の方からは反発されています。
木本:ネットでもよく書評を見ます。あまり触れられたくないという風潮があるような……。僕も読ませていただいて、正しい知識が得られたと感じています。
中島:まず、ビットコインは今、世界に1600万個のアドレスがあります。1600万人が利用している通貨だと取引所も言っています。しかし、誰がいくら持っているかという統計によると、0.001BTC、つまり数百円しか保有していない人が全体の6割を占めます。0.1BTCで8万円ですが、それ以下の人が90%です。ほとんどの人がちょっとしか持っておらず、お試しの人がかなり多いんです。
木本:本気で所有している人はごく一部だと。

1%の人間が90%のビットコインを独占している

中島:では誰が持っているのか。10BTC以上保有しているのは15万アドレスで、全体の0.8%にすぎません。その人たちが、ビットコイン全体の89%を保有しているんです。
木本:平等で使えるようにという始まりが、全然平等ではないんですね。

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中島:その理由の1つに、初期のマイナーの存在があります。2009年の時点では、ビットコインには、誰も注目していませんでした。
その時の報酬は今の8倍もあり、競合するマイナーも少なくて、パソコンでちょっと計算すると、10分ごとにチャリンチャリンとかなりの報酬が得られた。その頃は、お金儲けというよりも、世界で初めての仮想通貨が面白くて楽しくて仕方ないという人たちがマイニングをやっていました。当時のビットコインの相場は1ドル程度でしたが、その人たちが初期にかなりの量をもらっています。
マイニングも上位の13社で世界の8割を占める寡占体制になっています。そのうち、中国の10社で世界の70%を占めています。なぜマイナーが中国に集中しているのかというと、電気代がとても安いから。マイニングのためには、大量のコンピュータを24時間365日回さなくてはならないので、ものすごく電気代がかかります。
木本:日本などでは、電気代が高くて商売として成り立たない。
中島:そう、インターネットにつながって、電気代が安い国ならばどこでもいい。今は全体の7割の報酬を中国人が得ています。10分間に1回12.5BTCずつもらえます。1BTCは80万円(取材時)ですから、10分ごとに約1000万円ずつチャリンチャリンと入ってくる。
中島:その理由の1つに、初期のマイナーの存在があります。2009年の時点では、ビットコインには、誰も注目していませんでした。
その時の報酬は今の8倍もあり、競合するマイナーも少なくて、パソコンでちょっと計算すると、10分ごとにチャリンチャリンとかなりの報酬が得られた。その頃は、お金儲けというよりも、世界で初めての仮想通貨が面白くて楽しくて仕方ないという人たちがマイニングをやっていました。当時のビットコインの相場は1ドル程度でしたが、その人たちが初期にかなりの量をもらっています。
マイニングも上位の13社で世界の8割を占める寡占体制になっています。そのうち、中国の10社で世界の70%を占めています。なぜマイナーが中国に集中しているのかというと、電気代がとても安いから。マイニングのためには、大量のコンピュータを24時間365日回さなくてはならないので、ものすごく電気代がかかります。
木本:日本などでは、電気代が高くて商売として成り立たない。
中島:そう、インターネットにつながって、電気代が安い国ならばどこでもいい。今は全体の7割の報酬を中国人が得ています。10分間に1回12.5BTCずつもらえます。1BTCは80万円(取材時)ですから、10分ごとに約1000万円ずつチャリンチャリンと入ってくる。

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中島:全体のプログラム管理は欧米で一生懸命やっているんですが、マイニングはほとんどが中国。自分たちが管理しているのに、ビットコインが落ちていく所は万里の長城の向こうだと怒っている。
木本:この規模を見ると、ちょっとやそっとでは勝てないですね。
中島:世界中で取引されているというイメージも、ちょっと違っています。過去2年間、どこで取引されたかを見ると、OKコイン、フオビ、BTCチャイナという3つの取引所で世界全体シェアの93%を占めています。
木本:日本の取引所は、その他の扱いですか。
中島:取引通貨でみても、人民元が94%、日本円は0.7%、8月までのこの2年間を見た数字です。欧米や日本での取引が多いと思われているかもしれませんが、これまでは、ほとんど「中国の中国による中国のためのビットコイン」だったというわけです。

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資金洗浄などを懸念して、中国当局が規制へ

木本:それで9月に中国が規制して大暴落になるわけですね。
中島:はい、この3つの取引所は、中国当局が怒って閉鎖されてしまいました。なぜ中国人が買っていたかというと、資本規制を回避するためでした。中国は2015年に人民元を切り下げました。
これにより人民元に先安観が出てきたため、中国の富裕層は自分たちの持っている人民元をドルに変えようとしましたが、厳しい資本規制で交換できなかったのです。でもビットコインは、こうした資本規制の対象外だったので、いったんビットコインに交換したうえで、あとでドルに換えるという作戦に出たのです。
木本:1回ビットコインをかまして資本規制を回避し、資産を有効に運用できたのですね。
中島:このように、ビットコインはこの2年間、世界の取引の9割以上が規制逃れのために使われてきました。まともな動機の取引ではありません。皮肉にも、誰にも管理されずに自由に価値を動かしたいというサトシ・ナカモトの思想が実現されてしまいました。
木本:お金持ちがズルをするためにビットコインを使っていた。

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匿名性を盾にした悪事が多発

中島:匿名性についても、ビットコインの信頼性を貶(おとし)める3つの事件がありました。1つはシルクロード事件。違法薬物を販売する闇サイトがあり、薬物を売るための決済手段として使われたのがビットコインでした。高い匿名性があるため、犯罪者が好んで使う支払手段となっています。
2つ目がマウントゴックス事件です。2014年に突然取引を停止して、その後すぐに破綻しました。当時、世界最大の取引所で、シェアも7割ありました。社長が会見して、外部からハッキングされて470億円分が消失したと発表しましたが、のちに、社長が横領していたとして逮捕された(現在裁判中)。
中島:このほかにも、第2位の仮想通貨であるイーサリアムでも「ダオ事件」というものがあって、巨額のコインが盗まれています。ビットコイン自体の安全性は破られていませんが、盗難や流出といった事件が時々起きており、流通や保管のシステムとしては、まだ十分整備されていないと言えるでしょう。
人々が銀行や証券会社を信頼しているのは、そこに高い安全性があるからです。ビットコインは時々盗まれたりなくなったりしていますので、システム全体としての安全性はまだ不安定です。
木本:ビットコインや仮想通貨は、まだ完成されたものにはなっていないと。
中島:3つ目が、最近起きたランサムウエア事件。パソコンを乗っ取って、「元に戻してほしければ身代金を払え!」というものですが、今年5月に全世界の約150カ国にばらまかれました。日本語を含めた二十数カ国語に翻訳できるようになっており、理解できる言語に変換できます。データを回復するためには300ドル相当のビットコインを、このアドレスに支払えというものでした。
木本:アドレスが犯人のものなのはわかっても、誰なのかは特定できない。匿名性を巧みに利用した、頭よくて悪いやつですね。

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中島:匿名性のある支払手段ができたことによって、このところ、ランサムウエア業界は拡大の一途です。欧米の人がビットコインはよくない、邪悪なものだというのがわかってきたでしょう。

流通する通貨でなく、保有する資産になっている

中島:また、通貨として使われているかというと、「パッシブ・インベスター」という、買うばかりで一度も売っていない人やマイナーの利用ばかりが多くて、小口でビットコインを使っている「通貨ユーザー」はたった2%。マイナーがチャリンチャリンともらって、電気代を払うために売るのを、値上がり期待の投資家が買いまくっているというのが、ビットコインの中心的な取引なんです。
中島:サトシ・ナカモトは、発行が増えすぎてインフレになるのを嫌がって、発行上限を設けたとされていますが、上限を設けると、逆にデフレになりやすいんです。デフレは、物の値段に対して通貨が値上がりすることです。この発行上限に向けて、ビットコインには「半減期」が設けられており、発行量が4年ごとに半減していく仕組みになっています。
このため、この先、だんだんと供給量が減っていきます。そうすると、需要と供給の関係で値上がりするしかないじゃないかと皆が思うわけです。それを勉強した人がみんな買いまくっている状況です。
木本:半減期。語感からして、なんとなく儲かるようなイメージがありますね。
中島:このため、本来は「仮想通貨」であったはずのものが、投機のための「仮想資産」になってしまっている。先高感があって、明日値上がりすると思うものは、誰も今日の支払いには使わないからです。だから支払いのための「おカネ」としては使われずに、値上がり期待による「投機用資産」になっている。
木本:置いといたほうが得ですもんね。
中島:新聞を読むと、ビックカメラで使えるとかありますが、実は通貨としては、あまり使われていないという話です。

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掘り終わったらビットコインの価格は、さらに上がる?

木本:全部掘り終わって、上限まですべてが発行されると、ビットコインの価格は、さらに上がるんでしょうか。
中島:マイナーがいつまでマイニングを続けるかという話ですが、最初は1回の計算ごとに50BTC、そして25BTC、2016年から12.5BTC。これからも4年ごとに6.25、3、1.5と減っていきます。マイナーは儲けるためにやっているので、どこかに損益分岐点があって、採算割れになるとマイニングをやめてしまうかもしれません。すると何が起こるか。マイナーが作業しなければ、10分に1度のブロックができないので、ビットコインの取引システムとして成り立たなくなる可能性があるのです。

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東京五輪までにバブルは崩壊する

木本:なるほど、いつまでも掘ってくれるわけではなく、全部を掘り終わる前に撤退する可能性もあるわけですね。
中島:マイニングが、今ほど儲からないビジネスになることは間違いありません。今は、供給が減るから値上がりすることばかりが脚光を浴びていますが、供給が減るということは、マイナーが儲からなくなるということと表裏一体の関係です。2020年には報酬がさらに半減して6.25BTCになるので、そこが次の山場かなと思っています。
木本:ぶっちゃけた話、オリンピックまでにはバブルは終わっているんでしょうね。
中島:その可能性が高いのではないでしょうか。
木本:ビットコインが未来永劫すごくなると思っていると、それは間違いだと。
中島:不都合な真実があるんです。報酬が半分になっていくのにつれて、ビットコインの価格が2倍2倍となっていけばいいのですが、そんな甘い話はないですよね。で、発行上限がいつ来るかというと、2140年に上限の100%が発行されます。今から120年以上も先の話です。

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中島:では、それまでは安泰かというとそうでもなくて、2024年には97%が発行済みになる。28年に98%、32年に99%ですから、もうほとんど新規発行はストップ状態になります。したがって、最終局面と同じような状況は結構早く来るのではないかと。
120年の間に徐々に供給が減っていくので値上がりすると思って、みんなが買っています。でも120年後にはマイニングしても報酬はゼロになるので、マイニングをする人はいなくなるんじゃないかという話ですね。そして、それと同じような状況がほんの数年先に起きる可能性もある。
木本:そこでビットコインの寿命は終わる、と。


ビットコインを買い込む日本人投資家の末路

 日本人はいちばん遅れてブームに乗ってきた

この1年で価値が8倍以上に

中島:最後の講義は、「ビットコインはバブルか?」についてです。
「2017年はビットコインがいちばん投資すべき資産か?」といった記事がいろいろなところに出ていますが、過去1年の相場を見ると、1月に約1000ドルであったものが、最近(取材は11月下旬)では8000ドルを超えて、ついに8倍というすごいことになっています。

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中島:この1年のグラフを見ると、なだらかに上がっているように見えますが、発行開始からのグラフでみると、今年に入っていかにすごいことになっているかがわかります。初めの頃は1ドルくらいで、ちょっと上がっても10ドルだったのですが、キプロス危機で高騰しました。キプロスで銀行に課税するという話が出た時に、ロシアマネーのお金持ちたちがビットコインに逃げたんです。それをきっかけに、ビットコインに注目が集まるようになりました。
木本:なるほどなるほど。
中島:これを見るとバブリーな感じが見て取れますよね。
木本:まさしくバブリーな感じですが、いまが頂点じゃないといわれますよね。
中島:これは弾けてみないとわからないのですが、今年の夏ごろから世界のビットコインの半分以上を買っているのが日本人です。相場が相当高いところで買っているので、高値づかみをしている可能性があります。
木本:ありがちな話ですね。

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バブル崩壊でいちばん損をするのは日本人

中島:今まで中国人が9割以上を買っていましたが、政府が禁止しました。中国勢がいなくなったところに、周回遅れで日本人が買っている。テレビでCMが流れたり、「資金決済法」で金融庁が規制したとアナウンスされたりして、なんとなく安心感が出てきた。今では世界でいちばん買っているのが日本人で、6000ドルから8000ドルで買っています。もし今バブルが弾けると、日本人がいちばん損をするんです。いちばん遅れてブームに乗っているので。
木本:人民元はないんですか?
中島:政府に取引所が潰されてしまったので、今はありません。
木本:再開されるという報道もありますが。
中島:なんか、木本さんは私よりも詳しいんじゃないですか(笑)。もしかして木本さんもビットコインに投資をしている?
木本:はい、実は買っております。僕は30万円くらいですが。仕事で知り合ったプログラマーに、「面白いものがあるんですよ、木本さん」とささやかれて、それが入り口でした。

ビットコインには投資指標がない

中島:実は、ビットコインには投資指標がないので、高いのか安いのかがわかりません。株の場合には、PER(株価収益率)やPBR(株価純資産倍率)などの投資指標があって、それらの指標をみて買われすぎ、売られすぎがわかりますが、ビットコインには価格のアンカーになる指標がないので、まったくわかりません。上がったから買う、買うから上がる、みたいな展開になりやすいのです。
中島:またビットコインに、そもそも本源的な価値があるのかという点も疑問です。「コーポレートファイナンス」という最近主流の考え方があります。これは、金融資産、つまり株や不動産の価値は、それが将来生み出す「キャッシュフロー」(利子や配当など)を現在価値に変換したものに等しいというものです。下図のように、毎年得られるキャッシュフローを足し合わせていって、それを現在価値に計算し直したものが資産価値になります。ビットコインは、持っていても配当も利子も賃貸収入もないので、得られるキャッシュフローはありません。元がゼロなので、ゼロを現在価値に直してもゼロです。
木本:資産価値を出せないと。
中島:木本さんが、今、投資用のワンルームマンションを買おうとしているとします。年初に1000万円だったものが、今は8000万円で、この先も値上がりするから買ったほうがいいよと言われますが、賃貸収入はゼロです。賃貸収入ゼロのものを買いますか。持っていてもメリットがないものは価値がないのではないですか。このため、BIS(国際決済銀行)の報告書では「仮想通貨の本源的な価値はゼロである」と言い切っているんです。投資をするのなら、仮想通貨の価値の本質がどこにあるのかも考えておいたほうがいいです。
木本:なるほど、わかりやすいですね。

チューリップバブルのグラフに酷似?

中島:オランダでは17世紀に、チューリップバブルというのがありました。数百円の価値しかない球根1個が、オランダ人の年収の5倍以上になって、それは家1軒が買える値段でしたが、3年で突然終焉しました。
木本:理由はなんだったんでしょうか?
中島:理由は特になく、ある日突然に終わったようです。バブルは3年で終わっています。ビットコインバブルが2017年を元年とすると、来年、再来年かなと。
木本:僕も後2年くらいじゃないかと思っています。
中島:ビットコインの値動きのグラフの最近時点は、チューリップバブルの最終局面のカーブに似ているように思いませんか。
木本:似ていますね。デイトレードでも、75度の上がり方をしたら、確実に落ちると教えられたことがあります。1日の1時間グラフで見て、75度だとぽかんと落ちるそうですが、その角度ですよね。
中島:そうですね。

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木本:ということは、先生のおっしゃるようにあと2年もすると、バブルは一瞬にして終わるかもしれませんね。
中島:「バブルは破裂して、初めてバブルとわかる」といわれるので、断定はできませんが、その可能性が高いでしょう。高値で一生懸命買っている日本人は危ないなあと、特に高齢者の方が、マイニングの仕組みも何もわからずに、儲かるらしいと聞いて買っているようなので、危ないなと思っています。
木本:ビットコインを買えば、将来、不労所得で食べられるなんてうたい文句で誘うでしょう。
中島:そうなんですね。バブルの特徴は2つあると言われています。1つは、バブルは毎回違う顔でやってくるということ。不動産バブル、株式バブル、国債バブル、美術品バブルなど、いろいろなバブルがありますが、一度バブルになったものは警戒されて、しばらくはバブルになりにくく、ほかのジャンルがバブルになる。仮想通貨はバブルの洗礼を受けていないので、ひょっとするとバブルのニューカマー(新参者)になりかねない。
2つ目は、「専門家らしい人が値上がりを正当化するような理論を唱え出したとき」がいちばん危ないということ。特に専門家が「今回はこれまでとは違う」と言い出したときが危ない。
木本:確かに危なそうですね。
中島:日本のバブルの時も、東京は国際金融都市になるのだから、外資系の金融機関が大挙して進出してきて、高層ビルがたくさん必要になるので、もっと地価が上がると。そして、それを前提にすると「日本企業の株はもっと上がる」と専門家が言い出した。その頃がピークで、そこから10年以上、地価も株価も下がり続けた。ビットコインも、「世界を変える通貨になるのだ」(つまり、今回はこれまでとは違う)として、2020年までに25万ドルになるとか、50万ドルになるという説がネットで飛び交っていますが、同じような感じがしますね。

素人の参入も危ない兆候

中島:「いったん値上がりが見込まれると、そこに参加することが合理的とみなされる」というのがバブル期の特徴なんです。「なんでビットコインをやらないの」という風潮になってきていることに危うさを感じます。マスコミを見ても、ビットコインで資産が100倍になったとか、「億り人」というようですが、1億円儲けた人がいっぱいいるというような報道がなされており、これを見ると自分でも投資してみようかという気になりやすい。
そして、「素人が相場に入ってきたときが、相場の終わり」という有名な株式市場の格言もあります。1929年のニューヨークの株価大暴落の前に、ある資産家が靴磨きの少年から、「旦那、どの株が儲かりますか」と聞かれて、こういう素人が入ってくるようでは危ないと思って、株式を全部売ってことなきを得た、というエピソードがあります。日本でも「どうもビットコインは儲かるらしい」と、高齢者が説明会に行って買っているのは、靴磨きの少年が株式投資を始めているのに近い。
木本:ビットコインは投資の素人の方が熱を上げているようで、それもまた怖いなあと思っています。じっさい危ないぞ、となったら、素人はすぐに手放すので一瞬で暴落するんじゃないかと。
中島:株もやったことがない、投資信託もやったことがないというような人が、いきなりビットコインに手を出しています。だから非常に危ないなと。
木本:僕ですね、まさしく。何も知らずに買った怖さがあって、買った自分を正当化したいんです。知らないでやるのが怖いので、だからちゃんと勉強しているんですが、今日の講義も含めて知れば知るほど怖いと思います。

ビットコインは根拠なき熱狂だ

中島:仕組みに疎い人ほど楽観的で、「まだまだ行くでしょ」と言いますが、詳しい人ほど危ないと言っています。日銀のフィンテックセンター長だった岩下直行さん(京大教授)も警告しています。ノーベル経済学賞を受賞しているロバート・シラーさんは、「根拠なき熱狂の最も典型的な例がビットコインだ」と述べています。
また、JPモルガンチェースのCEOジェームズ・ダイモンさんは「ビットコインはチューリップバブルよりひどく、いい終わり方はしないだろう」と言っています。理論や実務に詳しい人ほど危ないと発言していますが、知らない人ほど「まだまだ上がるでしょ」と、楽観的です。ですから、いろんな意味で気をつけたほうがいいと思います。
木本:今回教えてもらった危険性をわかったうえで、期間限定ゲームとしては面白いのではないかと、僕は感じました。
中島:リスクはわかったうえで、なくなっても困らないおカネでスリルを味わう分にはいいんじゃないでしょうか。
木本:不動産や金のような長期的な投資として挑むものではないのはわかりました。短期の投機ですね。それを世の中の人がわからないと、ビットコインのえげつないニュースがはびこるのではないかなと思います。
中島:生命保険を解約して、その資金でビットコインを買ったという話がネットに載っていましたが、そういう必要資金による投資はまずいなと思います。ビットコインを買いたいと言ってきた知り合いのお年寄りにも「85歳の人は買わないほうがいいですよ」とアドバイスしました。
木本:ありがとうございます。とても勉強になりました。


 このシリーズ、面白いので、ビットコインに興味のある方は是非ご一読を!

>その時の報酬は今の8倍もあり、競合するマイナーも少なくて、パソコンでちょっと計算すると、10分ごとにチャリンチャリンとかなりの報酬が得られた。

 マイナーってのは、ビットコインの肝であるブロックチェーン(10分ごとに取引内容を記録、管理していくこと)を請け負う業者。

 そのマイナーは、電気代が安い怪しい国で管理しているんだねwww

>ほとんど「中国の中国による中国のためのビットコイン」

 そもそも、ビットコインを買っていたのは中国人でだったのに、中国政府の規制で中国での取引が激減。

 その後、日本メディアが大騒ぎを始めて、最近は日本円での取引が主力になったのです。

>中国勢がいなくなったところに、周回遅れで日本人が買っている。

 オイラは、中国資本による日本メディアへの圧力で日本人が騙されたと思っている。

 要するに中国が爆弾回しに成功し、今現在爆弾を保有しているのは日本人ということ・・・

>ビットコインは、持っていても配当も利子も賃貸収入もないので、得られるキャッシュフローはありません。元がゼロなので、ゼロを現在価値に直してもゼロです。

 ビットコインはお金みたいなものなのだけど、保有していても配当も利子もつかない。

 だから、資産価値は実質ゼロ。

 ただ、今後価値が上がるんじゃね?という期待だけで保有されている資産なんだよね。

 それでも投資したい人は良いけど、素人が手を出して良いものではないよなぁ~。