ギリシャ新政権に4カ月の猶予-ユーログループが改革案承認
(ブルームバーグ):ユーロ圏財務相会合(ユーログループ)は24日、ギリシャが提出した改革案を承認し、救済融資の4カ月延長に道を開いた。ユーロ圏残留か離脱かが問われる山場は当面回避され、ツィプラス首相は改革の約束で債権者を納得させながら政権を軌道に乗せる時間的猶予を得た。
ING-DiBa(フランクフルト)のチーフエコノミスト、カルステン・ブルゼスキ氏は電子メールで、この日の合意は「休戦であって、和平合意ではない」と指摘。「ギリシャ債務が持続不可能であることをどう解決するのかという疑問は先送りされただけで、解消されたわけではない」と付け加えた。
ギリシャとユーログループの合意は、両者の関係における新たな1章だ。2010年以降、ギリシャのユーロ圏残留と通貨同盟維持をめぐり両者は時に対立しながらも共闘を続けている。2度の救済策が計2400億ユーロ(約32兆4200億円)に上り、史上最大規模の債務再編を経てもなお、ギリシャは資金不足に見舞われている。
この日の合意により、ギリシャは計画の詳細をまとめ、いかに改革をやり通すのかを4月までにユーログループに示さなければならない。債権者側の当局査定に合格しなければ、ギリシャは救済融資の次回分70億ユーロ前後を含めて資金をこれ以上受け取れない。
欧州連合(EU)の行政執行機関である欧州委のドムブロフスキス副委員長とモスコビシ委員(経済・通貨担当)はユーログループのデイセルブルム議長に宛てた書簡で、ギリシャが示した経済措置リストは査定で良い結果を得られるための「有効な出発点として十分に包括的なものだ」と評価した。
一方でラガルドIMF専務理事はデイセルブルム議長に宛てた書簡で、ギリシャの政策措置は「全体的に具体性に欠ける」とし、政府が重要な改革を遂行する「確証」を与えるものではないとした。ドラギECB総裁も一段の検証が必要との認識を示した。
現行のギリシャ救済策が予定通り月末に期限切れとなるか不透明感が増していた今月4日、ECBは格付けが投資適格級を下回っているギリシャ国債をオペの担保として受け入れる特例措置を廃止した。この特例をECBが再導入するのは早くても3月5日の次回政策委員会以降になる公算だと、事情に詳しい関係者が述べた。