仏BNPは最大9200億円支払い、7月に有罪答弁の公算-関係者
6月23日(ブルームバーグ):フランス最大の銀行BNPパリバ は、米国の制裁対象国と行った取引をめぐる刑事捜査幕引きの条件として、80億-90億ドル(約8200億-9200億円)の罰金を支払うことで米当局と大筋で合意し、最終決着に近づいている。事情に詳しい関係者1人が明らかにした。
協議が部外秘であることを理由に関係者が匿名を条件に語ったところでは、BNPはイランやスーダンを対象とする米国の制裁に違反する約300億ドル相当の取引を意図的に隠した責任を問われており、国際緊急事態経済権限法(IEEPA)に違反する行為で共謀した罪を認める有罪答弁を7月初めに行う可能性が高い。
関係者によれば、双方は大筋で合意に達しているものの、合意の条件は最終的なものではない。米司法省刑事局の責任者とBNPの担当者が捜査終結について20日に話し合ったという。
同行の広報担当チェサルティン・グレゴリオ氏(ニューヨーク在勤)は、コメントを控えている。司法省のブライアン・ファロン報道官に通常の業務時間外にコメントを求める電子メールを送ったが、これまでのところ返答はない。
BNPと米当局が大筋合意した条件については、米紙ウォールストリート・ジャーナル(WSJ)が先に報じていた。同紙によると、同行はドル取引の扱いを数カ月にわたって禁止される可能性が高く、30人を超える行員の退職も発表する見通し。対象となる行員の多くが既に銀行を去ったという。
スイス銀行2位のクレディ・スイス・グループは今年5月、米国人顧客の脱税をほう助するために共謀した罪を認め、罰金26億ドルの支払いに同意した。欧州の主要銀行が米国で有罪答弁を行うのはクレディ・スイスに続き、BNPが今年2行目となる。
仏BNPパリバ第4四半期は76%減益、訴訟関連引当金積み増しで
米制裁違反を当局に指摘された場合のために積み増した11億ドルの訴訟関連引当金が響いた。米当局は、イランなど制裁対象国に関連して不適切な取引を行ったとして、他の複数の銀行に多額の罰金を既に科している。BNPパリバは、米当局との協議後に引当金を積み増したと明らかにした。