米下院議長が共和党内の支持確保、「崖」合意へ前進
[ワシントン 18日 ロイター] 大詰めを迎える米「財政の崖」協議で、共和党は18日、増税基準でホワイトハウスから一層の譲歩を引き出そうとする姿勢を鮮明にした。
オバマ大統領とベイナー下院議長の合意が近づきつつある中、共和党は民主党に事実上の増税対象を年収100万ドル超の上位富裕層に限定する対案「プランB」を法案として準備。ホワイトハウスはこの内容を拒否する一方、双方の譲歩により数日中の合意は可能との姿勢は変えていない。
カーニー報道官は記者団に対し「大統領は譲歩し、かつ共和党に半分以上歩み寄る意思があることを示した」と述べ、大統領が妥協点を見出すための真摯に取り組んでいることを強調した。
オバマ大統領はこれまで、争点となっているブッシュ減税の取り扱いについて、年収25万ドル以上の層については、減税措置を延長しない考えを示していた。だがベイナー議長が年収100万ドル以上の上位富裕層に対する増税を容認する姿勢を示し始めたことで、増税対象の年収水準を40万ドルまで引き上げる対案を示し、議長に歩み寄った。
民主・共和両党が詰めの作業を急ぐ中、ベイナー議長はこの日、「プランB」と称する代替案も提示した。年収100万ドル以下の家計に対し一律に現在の税率を維持することを盛り込んだ法案で、今週中にも採決される可能性があるとしている。
アナリストは、年収50万ドルの水準で双方が決着を図る可能性があるとしている。
議長は共和党が強硬に反対していた富裕層増税を容認する譲歩案を大統領に提示。この日行われた共和党下院議員との会合では、党内から反発が出るとの懸念もあったが、議長は党内の支持を確保した。
ダレル・イッサ下院議員は会合後、共和党議員は「議長を支持した。誰も不支持を訴える者はいなかった」と明らかにした。
世論調査では国民の多くが富裕層への増税を支持、オバマ大統領が再選後の勢いを維持する中、共和党の伝統とも言える増税反対論はやや勢いを失いつつある。
協議はイデオロギーの違いをほぼ乗り越え、増税対象などの具体的な水準で落としどころを模索する詰めの段階に入っていることから、市場は協議進展の兆しを好感している。
大統領はすでに増税と引き換えの赤字削減措置についても譲歩の姿勢を示しており、これまで10年で1兆4000億ドルとしていた増税規模を1兆2000億ドルにする方針を示している。
大統領提案に含まれていないのは、いわゆる給与税の減税の延長問題。メディケア(高齢者医療保険)とメディケイド(低所得層向け医療保険)に対する支出削減についても協議が続くとみられている。
連邦債務上限(国債発行枠)の引き上げ問題も今後の詰めが必要で、ベイナー議長が1年分の枠を増やす方針を示す一方、大統領は2年間を主張している。
>オバマ大統領とベイナー下院議長の合意が近づきつつある中、共和党は民主党に事実上の増税対象を年収100万ドル超の上位富裕層に限定する対案「プランB」を法案として準備。
財政の崖問題、
米国議会では毎度の事ですが、チキンレースの様相を呈してきましたねw
まあ、共和党が富裕層への増税を認めたことは一歩前進ですが。
>アナリストは、年収50万ドルの水準で双方が決着を図る可能性があるとしている。
共和党は100万ドルを越える富裕層対象、民主党は25万ドルから40万ドルまで引き上げると譲歩。
市場は、50万ドルぐらいで手打ちになるんじゃねぇ~のと予想しているようですが。
>連邦債務上限(国債発行枠)の引き上げ問題も今後の詰めが必要で、ベイナー議長が1年分の枠を増やす方針を示す一方、大統領は2年間を主張している。
それとともに、国債発行枠の引き上げも議論の対象になって来ている様子ですね。
毎度、ギリギリまでまとまりませんから、今回も年明けですかね?
クリスマスシーズンで議員さん達が仕事するとは思えませんし・・・w