自公3年ぶり政権奪還、325議席獲得-民主大敗で野田氏代表辞任
12月17日(ブルームバーグ):第46回衆院選は16日投票、即日開票された。定数480議席のうち自民・公明両党が合わせて、参院で否決された法案を衆院で再可決できる3分の2を超える325議席を獲得した、とNHKは報じた。自・公は民主党から3年ぶりに政権を奪還することになり、民主党は大敗した。
自民党の安倍晋三総裁は16日夜、NHKの番組に出演し、政権の枠組みについて「まず自民党と公明党で連立政権を作ることは決めている。近々、政策合意をしていきたい」と述べた。他の政党との連携については「政策ごとに理念、政策の一致する党に協力をお願いしていきたい」との認識を示した。
自民党は、25日か26日に新首相指名のための特別国会を召集させ、ただちに公明党との連立政権を発足させる方針だ。来年夏には参院選が控えており、新政権は景気対策やデフレ脱却、中国による領海侵犯が相次いでいる尖閣諸島をめぐる対応などの政策課題に取り組む。
テンプル大学現代アジア研究所のディレクター、ロバート・デュジャリック氏は「投票結果は、民主党が有権者の説得に失敗したことを反映したものであって、安倍氏や自民党に対する熱烈な支持を反映したものではない」と分析する。
自民党は294議席、公明党は31議席を獲得したと報じたとNHKは17日朝に報じた。民主党は57議席にとどまったとしている。日本維新の会は54議席を確保し、衆院では自民、民主に続く第3党に躍進したともNHKは報道している。今回の衆院選には1504人が立候補。自民党は追加公認と合わせて338人を擁立した。
民主党は選挙前あった230議席の4分の1以下になったことになる。12人立候補した閣僚では民主党の藤村修官房長官、城島光力財務相、田中真紀子文部科学相、樽床伸二総務相、連立与党の国民新党の下地幹郎防災担当相ら8人が落選したと共同通信は報じた。閣僚8人の落選は現憲法下最多で、仙谷由人元官房長官ら大物議員も相次いで落選したとしている。菅直人前首相は東京18区で敗北したが、比例代表で復活当選したとも共同は報じた。
野田佳彦首相は16日夜の記者会見で、衆院選について「有為な人材を数多く失い、痛恨の極みだ。このような厳しい敗北に至った最大の責任は党代表の私にある。結果を重く受け止め、民主党代表を辞任する」と表明した。
16日の投票は全国4万9214カ所の投票所で原則午前7時から午後8時まで実施。この後、全国1986カ所で開票作業が行われた。共同通信社が集計した衆院選の推定最終投票率は59.32%で、前回を10ポイント程度下回り戦後最低となった。