ギリシャ:債券保有者と直接交渉開始 | 晴走雨読

晴走雨読

笑韓しながら世界経済について勉強中。晴れた日はランニング、雨の日は読書が趣味なオッサンです。

ギリシャが債券保有者と直接交渉開始、厳しい条件提示=関係筋

 [ロンドン 25日 ロイター] ギリシャ政府は債務元本減免(ヘアカット)について銀行など債券保有者と直接交渉を開始し、債務交換で厳しい条件を提示している。関係筋が明らかにした。
 ギリシャはこれまで国際金融協会(IIF)のダラーラ専務理事と交渉してきたが、同専務理事が合意事項について加盟金融機関の支持をとりつけられるか懸念が高まっているという。
 ある関係筋によると、ギリシャは新たに発行する債券の正味現在価値を25%とするよう求めており、40%台の後半を想定していた金融機関側には厳しい条件となっている。
 
 自発的な債務交換に応じない債券保有者に対してはギリシャが強制的な受け入れを求める可能性が高まっている。具体的には、多くの債券保有者が合意した内容を全体に適用できるよう法改正する公算が大きい。
 強制的な債務交換はクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)の信用事由となる恐れがある。これまで欧州中央銀行(ECB)やフランス政府は強制的な債務交換には強く反対してきたが、姿勢は軟化しているという。
 ある市場関係者は、条件が不利でもほかに選択肢が少ないため多くの債券保有者がギリシャの提示した条件を受け入れるとの見方を示した。
 信用事由となった場合、ヘッジファンドなどのCDSによってポジションをヘッジしている投資家は債務交換よりも現金の受け取りを選ぶ可能性があるが、数はそれほど多くないとしている。

http://jp.reuters.com/article/marketsNews/idJPnJT803567620111125

>ある関係筋によると、ギリシャは新たに発行する債券の正味現在価値を25%とするよう求めており、40%台の後半を想定していた金融機関側には厳しい条件となっている。

オイオイ、新たに発行するギリシャ債の価値は実質75%カットということか・・・

>自発的な債務交換に応じない債券保有者に対してはギリシャが強制的な受け入れを求める可能性が高まっている。

さらに、債務交換も強制的に受け入れるようにするという動きも高まっている!

これこそは、正真正銘のデフォルトですな~~~。

債券保有者はというと・・・

>条件が不利でもほかに選択肢が少ないため多くの債券保有者がギリシャの提示した条件を受け入れるとの見方を示した。

どうにもならないから、ギリシャの提示を受けるしか選択肢がないらしいw

となると、ギリシャの今後はバラ色になるのかというと・・・

ギリシャが最新の中期財政計画発表、追加策なしでは赤字削減目標の達成困難

 [アテネ 25日 ロイター] ギリシャは25日、最新の中期財政計画(2012―2015年)を発表した。これによると、ギリシャは2014年までに財政赤字の対国内総生産(GDP)比率を欧州連合(EU)が上限とする3%を下回る水準に削減することを目指しているが、新たな緊縮策を実施しない限り、目標は達成できないことが判明した。

 今回の中期計画見直しでは、リセッション(景気後退)が予想以上に深刻化している点に加え、前月末に合意した支援策の内容を反映した。
 新たな緊縮措置が講じられなかった場合、財政赤字の対GDP比率は2015年でも4.2%までしか圧縮されない見通し。6月時点では1.1%まで赤字が削減されると見込まれていた。
 

 これに対しギリシャ財務省高官はロイターに対し、「2015年までに財政赤字の対GDP比率を3%を下回る水準まで引き下げるとの目標を堅持する」と明らかにした。「中期計画見直しでは、6月に発表され、これから最終的な取りまとめが行われる追加措置については含まれていない」という。

 また見直しでは、公的債務の対GDP比率が今年の推定のおよそ162%から2015年には125.6%に低下すると見込まれている。これは前月合意したギリシャの債務負担軽減案が実施されることを前提にしている。
 対ギリシャ第二次支援策では、2020年までに公的債務の対GDP比率を120%まで圧縮することを目指している。


>公的債務の対GDP比率が今年の推定のおよそ162%から2015年には125.6%に低下すると見込まれている。これは前月合意したギリシャの債務負担軽減案が実施されることを前提にしている。

 合意内容を実施すると公的債務はかなり減少し、現在求めている内容を債券者が飲めば、目標である公的債務の対GDP比率を120%もクリアできるのかもしれないが・・・

>新たな緊縮措置が講じられなかった場合、財政赤字の対GDP比率は2015年でも4.2%までしか圧縮されない見通し。

 財政赤字の対GDP比率は、今の状況では難しいことになる。

 その理由はもちろん、財政支出が減るのだから景気後退がさらに深刻になるからだな。

 となると、さらに追加的に緊縮財政策が必要になるのだな。

 うまくいくのかどうかわからないが、これが成功すれば、メルケルさんの考えどおり、債権者と財政赤字国両方に負担を求めるということになるよな。

 今後もギリシャは実験台としては注目だなw