アイルランドが支援要請-銀行問題に自力で対処しきれず
11月21日(ブルームバーグ):アイルランドは21日、資金調達と国内の銀行救済のため、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。ギリシャに続きユーロ圏で2番目の支援要請国となった。
カウエン首相は、救済パッケージに関する協議は「向こう数週間以内」に完了すると予想していると語った。レニハン財務相はこの日、ダブリンで記者会見し、融資の規模は1000億ユーロ(約11兆4500億円)を下回る見通しだと述べた。より具体的な数字を示すことは控えた。
レニハン財務相は、「アイルランドのような小国が、自国の銀行セクターの極めて大きな問題に直面した場合、単独で全ての問題に対応することはできない」と説明した。ただ同相は、同国が融資枠の全額を利用することはない可能性もあると述べた。
アイルランドはこの2年間、予算削減に努めてきたものの、金融業界を支えるコストが急増するなかで市場の信頼感は回復せず、支援要請を余儀なくされた。アイルランド国債利回りが過去1カ月に急伸した後、欧州当局は今年ギリシャに端を発した危機がポルトガルなど他のユーロ導入国に拡大するのを防ぐため、アイルランドに対し支援を要請するよう強く促した。
RIAキャピタル・マーケッツの債券ストラテジスト、ニコラス・スタメンコビッチ氏(エディンバラ在勤)は、「これは不可避だった。アイルランドには、金融支援を受ける以外の選択肢はなかった」と指摘。「市場は、支援の詳細とその条件が明らかになるのを依然として待っているが、あすは安堵(あんど)感による相場上昇が見られるだろう」と述べた。
>アイルランドは21日、資金調達と国内の銀行救済のため、欧州連合(EU)と国際通貨基金(IMF)に支援を要請した。
EU財務相:アイルランド救済合意で基金設立へ、銀行業界再編も
11月21日(ブルームバーグ):欧州連合(EU)加盟国の財務相らは、アイルランド支援合意により同国の銀行向けの資本基金を創設すると発表し、最終的に同国金融業界の「再編」につながる可能性があるとの見解を明らかにした。電子メールで配布されたユーロ圏財務相会合(ユーログループ)とEU財務相理事会の声明は、「このプログラムには銀行セクターが将来的に必要になり得る資本に対応する基金も含まれる」と説明。「アイルランドが銀行セクターにかかるストレスの是正で既に取った措置を土台に、銀行セクターのレバレッジ解消や再編などの広範囲な措置を進めることで、銀行システムが経済における役割を果たしていくことを確実することにつながる」との認識を示した。
声明によると、英国とスウェーデンは二国間融資を提供する用意が整っていると表明した。また、救済合意はアイルランドが今週中に発表する歳出削減に向けた4カ年計画に基づいて進められる。
>欧州連合(EU)加盟国の財務相らは、アイルランド支援合意により同国の銀行向けの資本基金を創設すると発表し、最終的に同国金融業界の「再編」につながる可能性があるとの見解を明らかにした。