欧州:資金調達逼迫 | 情報は自分で習得し、自分で判断する

情報は自分で習得し、自分で判断する

笑韓しながら世界経済について勉強中。晴れた日はランニング、雨の日は読書が趣味なオッサンです。


スペインの企業と銀行、国際資本市場から締め出し状態-BBVA会長

6月14日(ブルームバーグ):スペインの銀行、バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)のフランシスコ・ゴンサレス会長は、大半の国内企業と銀行が国際資本市場から締め出されていると指摘した。同国が投資家の信頼を失ったためだと同会長は述べた。

  同会長は14日、スペインのサンタンデールで講演し「国家としてのスペインが国外での資金調達に苦労しているとすれば、民間企業はなおさら大きな困難を抱えている」とし、「国際資本市場から締め出されるスペインの企業と金融機関が大半となっている」と語った。

  スペイン政府が借り入れ困難に陥るとの懸念を背景にBBVAを含めたスペイン企業の調達コストは上昇した。欧州中央銀行(ECB)によるスペインの銀行への資金供給は5月に過去最大の856億ユーロ(約9兆6300億円)に達した。

  ゴンサレス会長は、スペインは債務負担の増大を避けるために「緊縮財政と成長」が必要だとし、同時に債務返済に必要な資金の手当てを進める必要性も指摘した。公的部門の支出を抑える取り組みや年金システムの修正、労働市場の柔軟化も必要だ述べた。

  金融システムを改革し過剰能力を削減することや資本増強、政治的介入を排除し市場規律に従うことが必要だとも語った。




 スペインの銀行へ信用が、さらに無くなっているようだ。

>「国家としてのスペインが国外での資金調達に苦労しているとすれば、民間企業はなおさら大きな困難を抱えている」

 まるで韓国を見ているようだ・・・

 特定の企業ではなく、スペイン国家として投資家の信用を失っている・・・

 投資家からの資金調達が出来ないために、ECBからの資金に頼るしかない状態なのだな。

>欧州中央銀行(ECB)によるスペインの銀行への資金供給は5月に過去最大の856億ユーロ(約9兆6300億円)に達した。

 スペインだけで、1ヶ月で9兆円を超えている!

 ギリシャ支援とか言ってる場合ではないな。

 スペインが堕ちたら、ユーロ諸国への影響ははかりしれないから、ECBも必死に介入しているようだ。

 この間まで、トリシエ総裁は介入には否定的な意見と強気の姿勢を示していたはずだが・・・

ソブリン債危機で欧州銀に第2の信用危機-ECB依存、一段と深刻に

6月14日(ブルームバーグ):ソブリン債危機で評価損計上のリスクを負う欧州の銀行は、業績悪化や融資抑制、地域経済の回復阻害につながる資金調達逼迫(ひっぱく)に直面している。

 これらの銀行が保有するギリシャやポルトガル、スペインの債券の価値が下落するとの懸念から、投資家は銀行債を敬遠。銀行債の発行は5月に2008年の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たん以来の低水準となり、国債に対する上乗せ利回り幅(スプレッド)は年初来最大となった。銀行同士が貸し渋り、欧州中央銀行(ECB)への預金が過去最大規模に膨らんでいる。


 コメルツ銀行の債券戦略共同責任者、クリストフ・リーガー氏(フランクフルト在勤)は「不信感は大きい。銀行は、銀行同士よりもECBと取引している」と語る。
 ECBは前例のない規模の資金を銀行システムに供給し、危機拡大を防いでいる。一方、期間短めの資金提供を受けることで、銀行はECBからの支援や信用危機の一因とされる短期資金調達に依存する体質から抜け出すのがますます困難となっている。


 銀行債を保証するクレジット・デフォルト・スワップ(CDS)のスプレッドは先週、過去最高に近い水準に上昇。JPモルガン・チェースによると、欧州の銀行と保険25社の優先債を保証するCDSスプレッドで構成するマークイットiTraxx金融指数は8日、208ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)に上昇し、2009年3月に付けた過去最高の210bpに近づいた。


対照的

 モルガン・スタンレーのアナリスト、ヒュー・ファンステーニス氏によれば、イタリアの銀行インテザ・サンパオロやスウェーデンのSEB、ノルウェーのDnB NOR、オランダのINGグループは既に年内に必要な債券の発行を済ませ、信用逼迫の危機から当面無事だ。一方、ドイツのコメルツ銀やフランスのナティクシス、スペインのエスパニョール・デ・クレディト銀行は優先債で調達すべき金額の35%未満しか手当てできていないという。9日付のリポートで明らかにした。

 MFグローバル・セキュリティーズのサイモン・モーガン氏(ロンドン在勤)は「質の高い借り手でなければ、預貸率を引き下げたりバランスシートを縮小させるまで、市場からの資金調達は困難になるだろう」と指摘。「銀行は自ら改革しない限り、予見し得る将来まで政府支援から抜け出せない」と述べた。

 ナティクシスはコメントを控えた。エスパニョール・デ・クレディト銀はコメントを求める電話取材に返答しなかった。コメルツ銀の広報、ライナー・ロスマン氏は電話で「当行の資金調達は十分」と述べた。



>銀行債の発行は5月に2008年の米リーマン・ブラザーズ・ホールディングス破たん以来の低水準となり、国債に対する上乗せ利回り幅(スプレッド)は年初来最大

スペインだけでなく、欧州の金融機関への投資に対して、信用不安が広がり、資金調達が逼迫!

こうなったら、ECBが資金を供給するしかないわけで、リーマン以後の米国を見ているみたいだ。

FRBもECBも中央銀行なのだから、これが役目だとはわかりますが、あの当時、ECBはずいぶんFRBの政策を否定していたのを、思い出しますな~~。

巨大なマグマが、噴出するために、地表に近づいている気がしてなりません。