スペイン:債務残高GDP比90%に拡大も、デフレ圧力著しい-S&P
12月10日(ブルームバーグ):米格付け会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)の信用アナリスト、トレバー・カリナン氏は10日、スペインの公的債務残高が現在の倍以上に膨らみ、国内総生産(GDP)の最大90%に達する可能性があるとの見通しを明らかにした。スペインは財政赤字が他の欧州諸国を上回る一方、経済成長ペースは他国を下回ると予想される。
カリナン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「スペインの債務負担は今後、対GDP比80%前後に向け拡大し、場合によっては2010年代半ばまでに90%に達することもあり得る」と述べた。また、10月時点で19.3%だったスペインの失業率が今後20%に向かって上昇すると予測し、スペインには「著しいデフレ圧力」が存在すると指摘した。
スペインの公的債務残高のGDP比率は昨年時点で39.7%と、欧州諸国の平均を下回っている。しかし、同国の単年度財政赤字は今年GDP比11%に達し、欧州で最も高水準の国の1つになると見込まれる。
S&Pは9日、スペインの格付け「AA+」の見通し(アウトルック)を「ネガティブ」(弱含み)に引き下げ、アラブ首長国連邦(UAE)ドバイ首長国やギリシャのデフォルト(債務不履行)懸念を背景にスペイン国債の利回りも上昇した。10年物国債のドイツ国債に対する上乗せ利回り(スプレッド)は10日、前日の 69.5ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)から72.1bpに拡大し、7月以来の高水準となった。
http://www.bloomberg.co.jp/apps/news?pid=infoseek_jp&sid=aJKQm1B5l3oY
>スペインの公的債務残高が現在の倍以上に膨らみ、国内総生産(GDP)の最大90%に達する可能性があるとの見通し
欧州の中でも一番不動産バブルに沸いたスペインですが、そろそろヤバそうですね。
先日の格付けで「ネガティブ」に方向付けられましたが、公的債務残高が増えているようです。
格付けに関する記事はコチラ⇒http://blogs.yahoo.co.jp/x_men_go_go/23033104.html
ここで一つ疑問に思う方がおられるかもしれませんね。日本は公的財務残高がすでにGDP比で100%超えてるじゃないか!と思いますよね。
しかし、日本の国債は全て円建てでさらに95%程度は国内で買われています。つまり、円を刷れば返済は可能なのです(実際には刷りませんが・・・)
対して、スペインはユーロ建てですが、ユーロはEU内の各国に対する通貨ですから、スペインだけ赤字垂れ流しというわけには行きません。
>単年度財政赤字は今年GDP比11%に達し、欧州で最も高水準の国の1つになる
そのために、EUの国々は単年度財政赤字はGDP比3%以内に抑えるという取り決めがあります。
スペイン失業率、20%超え 頼みの経済刺激策、年内終了
かつて欧州随一の雇用拡大を見せたスペインが、ユーロ圏で最悪の失業率に苦しんでいる。政府は雇用対策として公共事業を実施してきたが、2010年には予算を縮小せざるを得ず、さらなる失業率の上昇を招きそうだ。
過去60年で最悪のリセッション(景気後退)に立ち向かうため、サバテロ首相は公共事業に次々と予算をつけて雇用を確保してきた。建設事業は欧州の名所を再現したテーマパーク、スポーツ複合施設、闘牛場など多岐にわたる。
しかしIEビジネス・スクールのフェルナンド・フェルナンデス教授は「政府の対策は、失業者問題の先送りにすぎない。一連の政策は、危機は短期間で収束するとの認識のもとで打ち出されており、これから後始末をしなければならない」と指摘した。
人材派遣の業界団体AGETTアソシエーションによれば、年末に80億ユーロ(約1兆450億円)規模の景気刺激策が終了することなどから、年明けに25万人が職を失い、失業率は20%を超える見込みだという。ブルームバーグの調査によると、同国の失業率は10年に20.5%に達する可能性がある。
ビクトル・カステヤノスさん(22)も、1月にはスペインの380万の失業者の1人になるかもしれない。7カ月間従事したコロンブス像の移設工事は12月に終了し、その後の当てはない。カステヤノスさんは「今日はパン、明日は腹ぺこだ」と不安を明かした。
スペインでは、大手銀バンコ・ビルバオ・ビスカヤ・アルヘンタリア(BBVA)やイベリア航空などの人員削減が響き、9月の失業率は19.3%。ユーロ圏16カ国の平均9.7%を大きく上回る。過去1年間でユーロ圏の失業者数は320万人増加したが、スペインがその半数を占める。
スペイン経済は10年もマイナス成長が続く見込みだが、政府は財政赤字の国内総生産(GDP)比率を、13年までに現在の11%から欧州連合(EU)基準の3%に圧縮しようとしており、10年の景気刺激策は縮小される見通しだ。
元政府顧問のハビエル・ディアスーヒメネス氏は「午前に道路に穴を掘って午後にそれを埋めるような仕事に就いている人は、仕事を失うだろう。これは喜ぶべきか、それとも悲しむべきか。長期的に見れば、喜ぶべきことだと思う」と述べた。
http://www.business-i.jp/news/bb-page/news/200912010023a.nwc
>年末に80億ユーロ(約1兆450億円)規模の景気刺激策が終了することなどから、年明けに25万人が職を失い、失業率は20%を超える見込みだという。ブルームバーグの調査によると、同国の失業率は10年に20.5%に達する可能性がある。
財政赤字でも政府支出を行うことで、失業率を抑えたいところですが、EU基準の3%に圧縮するためには、この厳しい雇用情勢の中、景気刺激策を終了させなければなりません。
(ノД`)ハァ
>スペイン経済は10年もマイナス成長が続く見込みだが、政府は財政赤字の国内総生産(GDP)比率を、13年までに現在の11%から欧州連合(EU)基準の3%に圧縮しようとしており、10年の景気刺激策は縮小される見通し
一体、スペインの失業率はどのくらい増えるのでしょうね・・・