平田機工編-クライスラー向け債権 | 情報は自分で習得し、自分で判断する

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クライスラー向け債権、回収不能の恐れ拡大 平田機工など3社

 米自動車大手クライスラーが連邦破産法11条の適用を申請したことを受け、平田機工やタカタなど取引のある日本企業3社は1日、クライスラー向け債権の回収が困難になる恐れがあると発表した。今後、企業数が増加する可能性がある。
 生産設備メーカーの平田機工はクライスラー向け売掛債権21億円について、取り立て不能や遅延の恐れが生じたと発表した。現状では支払い遅れはないが、米政府に債権の保証制度の適用を申請していないなど「回収不能のリスクがある」(同社広報室)ため。
 シートベルトのタカタ、エンジン用点火コイルのダイヤモンド電機もそれぞれ4億円、3億円の債権が回収できない恐れが出ている。

http://www.nikkei.co.jp/news/past/honbun.cfm?i=AT1D0108L%2001052009&g=MH&d=20090501

 クライスラー破産法申請に関わる日本企業の記事を見つけたので、掲載します。

>生産設備メーカーの平田機工はクライスラー向け売掛債権21億円について、取り立て不能や遅延の恐れが生じたと発表した。

 平田機工が売掛債権21億円が残っているのですね。

売掛債権とは

 債権とは、貸したお金を返してもらうといった、請求できる権利をいう。営業行為などによって、商品やサービスを顧客に販売・提供をしたものの、受取っていない代金を請求できること。売掛債権は資産とみなされる。

http://www.nomura.co.jp/terms/japan/u/uri_saiken.html

 経理を仕事にされている方には、当たり前かも知れませんが、簡単に言えば商品を売ります。私たちは、通常はほとんどが現金で支払いますが、企業の場合は納品書を発行し、月末締めなどで請求書を購入してくれた企業に郵送します。

 簿記的に言えば、この段階で売上は計上します。しかし、売掛金として資産に残ります。支払が終わった段階で、現金や預金などの資産に計上されます。

 つまり、平田機工はクライスラーに21億円分の商品を納入したわけですね。その為、売掛債権として資産計上していますが、もし支払いが出来なければ、残った分は損失となってしまうわけですね。

>現状では支払い遅れはないが、米政府に債権の保証制度の適用を申請していないなど「回収不能のリスクがある」(同社広報室)ため。

 現状は支払いの遅れなどないが、米政府への債権保証制度を申請していないのですね。クライスラーの再建が行なわれれば、多少の回収は見込めそうですが心配ですね。

 ところで、平田機工ってどんな会社でしょう?

 熊本県で設立されたモノづくり企業日本そのままの企業ですね。う~~~む。これは絶対応援したいですね。

http://www.hirata.co.jp/

という訳で、また勝手に経営分析

ソースはコチラ⇒http://www.hirata.co.jp/ir/ir_material.html

 前期(2009年3月期)は、まだ第3四半期までしかでていないが苦しい様子です。粗利益率が下がり、営業、経常利益も赤字。短期借入金で、流動性を確保(流動資産増、財務活動によるCF)してますね。流動性が確保できている=銀行からの融資が受けられている=運転資金に問題はない=デフォルトする可能性は少ないですかね。

 さて、問題のクライスラー売掛債権21億円ですが、これが全て回収不能となると、今期に営業活動でのCFにマイナス21億円ですね。そうなると今期も営業活動でのCFは赤字ですね。
 また、流動資産も減少しますね。その分が。流動性資産を良く見ると、仕掛品が前期は大幅に増えているのには驚きです。

仕掛品とは
 製造業において、所定の工程を終了したものを完成品というのに対して、いまだ作業途中にある未完了の製品生産に投入している費用の総額をいう。一般に、工場内に複数の工程がある場合、最後の工程以外の工程完了品は半製品とよばれ、仕掛品と区別される。製造業の会計あるいは原価計算では、計算期末の仕掛作業原価を評価しなければ、適正な完成品原価を算定しえないから、この計算過程はきわめて重要である。

http://100.yahoo.co.jp/detail/%E4%BB%95%E6%8E%9B%E5%93%81%EF%BC%88%E3%81%97%E3%81%8B%E3%81%8B%E3%82%8A%E3%81%B2%E3%82%93%EF%BC%89/

 なるほど、生産途中の製品ですね。これが増えたのは受注減の影響が大きいのでしょう。でも、たかが21億円で会社経営が傾くとは思えません。きついですが・・・融資も受けられていますし。

 まずは、クライスラーからの回収が順調に進むことを願います。そして、売上のメインである自動車関連の生産設備事業は苦しいでしょうから、FPD(Flat Panel Display)関連生産設備事業が国内向けに伸びているようですから、内需拡大に向けて頑張って下さい!

 ガンバレ! 平田機工