☆*:・°★:*:・°長男誕生☆*:・°★:*:・°

妊娠…と知った時、まだ結婚の「け」の字も無かった。
実は、元旦那はある理由から薬を飲み続けていて、時々発作を起こしていた。

知りながら付き合っていた。

多分、一生飲み続けなければならない。

それがあって、自分の家で暮らさずに、親戚の家に身を寄せていた。

何故なら…
彼の母親が、発作を起こす彼の様子を目にするのが嫌だったから…


それもあって、長男の前に一度妊娠したが…
「おかしな子供が生まれると困るから…」
と言われて、中絶した。

初めてでは無い。


でも、その後体調を崩し、病院に暫く通った。


当時、寺尾聰の『ルビーの指環』が巷に流れていた。
私の誕生石。
私は、一人でこの曲を聞きながら、泣いていた。

その後に分かった妊娠。

私は、彼と一緒に彼の通う病院に行き、お医者様に聞いた。

「彼の病気は、子供に影響するんですか?」

回答は…「しませんよ」だった。


「産みたい!」
私は、彼と入籍し産む事を決意した。


その後の経緯は、長いので省略致します。


さて、長男の出産です。

私は、身体の割には産道が狭いと言われていました。
その上に、臨月になってもお腹が下がらない。
いつまで経っても、産まれそうな気配が無い。


予定日の数日前から入院(ΘoΘ;)

陣痛促進剤を点滴する…が、余程居心地が良いと見えて…生まれる気配無し。


一日空けて…また点滴…

母から「あまり騒ぐんじゃないよ!」と、釘を刺されて分娩室へ…

お!痛いぞ~
これが陣痛か?


だが、進まない。

その間に、隣りに入った人が大騒ぎをした末に出産して、退室。


私は、朝9時からずっとあまり進展無し…


さすがにお医者様も様子を見に来た。


「う~ん…まずいな…羊水が濁ってる…」


???どういうこと?


何がなんだか訳が分からないまま…
帝王切開決定!
緊急手術となりました。

意識はしっかりしているので、手術中の医師の声は聞こえる。
が…私は吐き気がして…

産声を聞いた時には、涙が出ました。
「男の子ですよ~」

という、看護師さんの言葉の後は、寒気と頭痛で数日動けませんでした…

「歩けないと赤ちゃん連れて来られないのよ!寝て無いで歩きなさい!」
怖い看護師さんに叱られて、歩くようにしました。

ある夜、まだ若い看護師さんが小脇に何か抱えてきました。


??何?

「はい!あなたの赤ちゃんよ!」


初対面まで、3日位かかりました。

可愛い可愛い私の赤ちゃん。


その日から、必死で一人で歩けるように頑張ったのは言うまでもありません。



退院まで約二週間。

父は、一度も病院に来ませんでした。


何故?


あまりの嬉しさに…
毎日、お酒を飲んで一人で宴会をしていたそうですヾ(^_^;



後日談…
緊急手術になった時、お医者様に呼ばれた元旦那は…
「このままでは、どちらも危ない!緊急に手術をします」
と言われていたそうで…


私は、中絶した命に対して済まない気持ちはあります…が、それと同時にこの子に会えたのは、この世に生を受けなかった命が与えてくれたものだとも…


私のエゴでしょうね…


☆*:・°★:*:・°つづく