シリコンインプラント抜去 | TETSU形成・美容クリニック   田中哲一郎のブログ

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TETSU形成・美容クリニック
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
株式会社形成技研代表取締役

皆様こんにちは。
15年ほど前に福岡の某クリニックで豊胸手術を受けた患者です。
術後すぐに、右が腫れて、その後小さくなったそうです。
生活には困らないようで抜去を希望しました。
手術された時期と、経過を考えると、恐らくCMC(カルボキシメチルセルロース)を用いたハイドロジェルを疑いました。

右は完全に虚脱しています。こうなってしまうと、バッグの薄いシリコン外膜のみが残されていることになり、

外側、内側に移動していると抜去に時間がかかることがあります。
局所麻酔では抜去しないほうが良いです。ピンポイントでバッグの外膜が見つかるとは思えません。

アプローチも腋窩では無理でしょう。内視鏡があれば良いですが。出先にはありません。

よって、全身麻酔下、乳房下溝からアプローチしました。

健側からアプローチして、すぐに乳腺下から抜去できました。

フランスアリオン社製(laboratoires arion)のCMCです。この物質はベータグルコース、

水と炭酸ガスになって体外に排出されてしまいますので心配ありません。

問題の右です。
右は....................挿入されたレイヤーが左と違いました。乳腺下ではなく、

大胸筋下に挿入されていました。乳腺下を無意味に剥離してしまいました。

見つからないので焦りましたが、勇気を出して大胸筋の筋間を剥離すると見つけました!
大胸筋下って破損しやすいのでしょうか??
乳房下溝アプローチで正解です。腋窩からだと見つける自信がない。

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