腋臭症手術 | TETSU形成・美容クリニック   田中哲一郎のブログ

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TETSU形成・美容クリニック
日本形成外科学会認定専門医
日本美容外科学会(JSAPS)専門医
株式会社形成技研代表取締役

最近、暖かくなってきました

腋臭症(ワキガ)についてです

皮膚の下には「汗腺類」と呼ばれる分泌腺があります。

アポクリン汗腺・エクリン汗腺・皮脂腺があり、

ここから出る分泌物が、わきが臭や多汗の原因となります。
エクリン汗腺から出る汗は、体を動かしたときなどに、

体温を調節するためにかく汗です。さらっとしていて粘り気がなく、

99%が水分、1%ほどの塩分を含みます

 

アポクリン汗腺から出る汗は粘り気があって脂肪や鉄分、

蛋白、アンモニアなどで構成されます。

乳白色で独特のニオイがあり、シャツに付くと汗じみ・黄バミの原因となります。

この汗が皮膚に住む細菌によって分解されると、

わきが(腋臭) の臭いが発生します。

 

手術は主にこのアポクリン腺を除去しにいきます


剪除法、切開法で醜状変形を来した症例を散見しますが
原因のほとんどは皮膚の壊死が原因です

 

私のデザインは将来、壊死すべき皮膚、皮下組織を最初から

一塊として紡錐形に切除します

2cm幅程度は容易に切除可能です


メリットはかなり多いです

 

1.アポクリン、エックリン線、脂腺の密度が高い部位を

  導管も含めて除去、治療効果が高い

2.皮弁と考えていますから、皮膚除去によって血流に余裕ができ、

  皮膚が壊死しにくい
  (最初から壊死する組織を除去している)

3.視野が確保しやすい
4.手術時間は短縮

 

切開法といっても、皮弁法ですからアポクリン腺、脂腺は可及的
に除去しても
、 含皮下血管網はある程度温存します

これを除去しては、皮弁法ではありません
全層植皮術です

きわめて、生着率が悪くなります

すでに、中央部紡錘切除によって
アポクリン腺はほとんど除去されているのがわかります

スマートな方法だと思いますよ

 

真皮縫合後

形成外科医にとって、切開線の長さはあまり気にしません
むしろ、狭い術野で皮膚を挫滅させたり、愛護的に扱わないことのほうが

醜い傷にしてしまいます

両端のDog ear変形は将来的には平坦化します
腋窩部の線状瘢痕を目立たせたことはないですね

血腫がたまらないように、出血傾向をみながら
アンカー縫合を行います

tie over固定はしたほうが安全です
3~4日で外します

 

術後6日目

 

術後2ヵ月