こんにちは
今回はシャトルの断面を決めるための構造力学の話です。
画像もなしで計算式など出てきますが
分かりやすく書いてみますのでお付き合いください。
ダブルボビンシャトルの試作の時、
たわんでしまうので底板の厚みを厚くしていましたが、
構造物の断面性能評価をしてみますと
底板は長方形断面で 力がかかる方向が 厚さ h 幅を b としますと
b × h の断面をもつ梁の曲がりにくさは
Z = ( b × h × h ) / 6
で示されます。
Z を断面係数といいます。
数値が大きいほど曲がりにくい梁ということになります。
この Z は幅が二倍になると二倍になりますが
厚さが二倍になると二乗で効いてくるので
四倍の強度になります。
つぎに梁の中間に力を加えた時にたわむ時のたわみ量を
δ(デルタ)で表しますが、
梁の中央に集中荷重を作用させた時の
たわみは
δ = ( P × ℓ × ℓ × ℓ ) / ( 48 × E × I )
となります。
ここで P は荷重(加わる力)
ℓ は支間(梁の長さ)
E は弾性係数(材質によって特有)
I は断面二次モーメント
といいます。
断面二次モーメント I は
I = ( b × h × h × h ) / 12
となります。
なので、たわみ量は幅が二倍になると 1/2 になりますが
厚みが二倍になると三乗で効いてくるので
1/8 となります。
ダブルボビンシャトル製作の時は
シングルボビンシャトルVer.3の時の底板厚さ1mmでは
たわんでしまって使用できなかったので
デザインを考慮した最大厚さ2.5mmに底板の厚みを厚くしたのです。
この時のたわみの量は厚さ h が 2.5倍になりましたので
2.5 × 2.5 × 2.5 = 15.625 で
およそ 1 / 15 程度になったということです。
それでは梁の長さ ℓ が二倍になったら
厚み h を何倍にしたら同じたわみ量にできるでしょうか。
ℓ は三乗で効いてきますから八倍たわんでしまいます。
となると I も h の三乗で効いてきますので
h も二倍にすればたわみ量を同じに保つことができます。
ところが上下の板を 5mm にすると
シャトルとしての使い勝手が悪くなります。
では、そもそも厚みは何mmが妥当なのでしょうか。
残念ながらそれを算出するためには
樹種ごとに弾性係数を調べる必要がありますが、
一般に構造材として使用される杉や桧などの
データしか検索できないのです。
したがって、勘に頼って試作するという結論に達しました。
でも、計算することである程度の目安はつけられるのです。
長々とお付き合いいただきましてありがとうございます。
この記事を書いた理由は次回に発表します。←引っ張ります。
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