こんにちは
今回はボビンシャトルの力学についての考察です。
長文になりますので苦手な方は斜め読みしてください。
市販されているボビン式のシャトルには
大きく分けて二種類あります。
一つは金属あるいはプラスチック製で
上下の板でボビンを挟み込むタイプで
上下の板の金属あるいはプラスチックの弾性力で
板とボビンとの間に摩擦抵抗力を発生させて
空回りしないようにしているもの。
そして、もう一つが木製で芯棒のネジを締め込んで本体と板の間に
摩擦抵抗力を発生させて空回りしないようにしているものです。
中にバネが入っているかもしれませんが現物を触ったことがないので
写真からの推定です。
前者は摩擦抵抗力の微調整は出来ません。
後者は芯棒のネジの締付加減で微調整できるようになっているようです。
どちらにも共通しているのは常に摩擦抵抗力を発生させているために
糸の量によって引き出す時の力が大きく変化することです。
糸が少なくなると大きな力が必要になります。
図解しますと
上の図は糸をマックス巻いています
下の図は直径で半分まで糸を使用した状態です。
中心から糸を出している位置までの距離を
モーメントアームというのですが、
引張力とモーメントアームの掛け算が回転力(モーメント力)となり、
回転力が摩擦抵抗力を超えると糸を引き出せるというわけです。
摩擦抵抗力が一定でモーメントアームが半分になると
糸を引き出す引張力は二倍必要になります。
式にしますと
摩擦抵抗力 < 回転力 = 引張力 × モーメントアーム
となり、糸が引き出せます。
tetugetaも最初はこのタイプで試作しまして
お試しいただいたのですが、
糸が減った時に合わせてバネの強さを調整していますと
糸が多いときには軽い力で引き出せるために
使っているとずるずる糸が出てくるという
現象を発生させていました。
これらの欠点を解消するべくいろいろと試作していましたが、
一応の成果が上がりそうなので、
近々お試しをお願いする予定です。
以前の記事に ボタンを押すとシュルッと糸が出て
ボタンを離すとピタット止まる が良いとの
ご意見をいただいていましたが、ほぼ実現できました。
構造は二種類考えましたので、
それぞれをお試しいただいて
問題なければ公開したいと思います。
ただ、ハンドメイドで構造が複雑なので
メーカーさんの製品ような 「誰にでも簡単に使える」
というわけにはいきませんでしたので、
ある程度の工作心のある方への条件付きでの販売になる見込みです。
お楽しみに。
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