お久しぶりでございます~まさやんです


今回は、車両シリーズ 南海編 第7回といたしまして、8200系をご紹介します



まさやんの鉄道話-南海8200系

南海8200系








南海8200系は、昭和57年から60年にかけて、6連固定編成3本の18両が、東急車輛で製造された


電機子チョッパ制御装置搭載の初代8000系は、電力回生率が30~32%と高い実績を示し、期待通りの成果を出したが、電機子チョッパ制御装置は製造コストが高く、また、勾配区間におけるバックアップ機能が搭載できないことを踏まえ、今回の新造計画において、電機子チョッパでいくか、低コストで製造できる界磁チョッパにするかとなり、南海では、コスト削減することとし、また、勾配区間におけるバックアップ機能が界磁チョッパ制御装置では搭載可能となるため、界磁チョッパ制御の8200系を製造した


3次に分けて製造したため、細部が異なっている


1次車は、昭和57年3月、2次車は昭和59年3月、3次車は昭和60年8月にそれぞれ製造


主要機器は、制御装置が三菱製界磁チョッパ制御のFCM-218-15MRDとなり、主電動機は界磁チョッパ制御に合わせるため、南海初の直流複巻式となり、三菱製のMB-3280-ACで、出力は狭軌最大級の160kWとなった

制御装置は電力回生制動及び抑速制動付他励界磁チョッパ制御方式となった

チョッパ制御装置にはGTO(Gate Turn Off)サイリスタを採用、これにより小型軽量化をはかり、主回路モードで力行・惰行・制動の各動作を行う

また、停止回生制動及び抑速回生制動失効時には直ちに発電制動に切り替えるため、発電制動用抵抗器を搭載した

電動発電機は初代8000系2次車と同じTDK-3345-A(ブラシレス・出力140kA)を中間偶数電動車に、空気圧縮機は低騒音型のC-2000Lを電動発電機と同じく中間偶数電動車にそれぞれ搭載した

台車は住友製S型ミンデンで、電動台車は強度アップを図ったFS-392Bとなり、付随台車は6200系から同じFS-092となった

冷房装置は三菱製集約分散式のCU-191A(冷房能力10500㌔㌍/h)を4基搭載、パンタは6200系と同じPT-4803-A-Mを中間奇数電動車に2基搭載している

基礎ブレーキ装置は片押し式で、制動装置は初代8000系と同じHSC-Rとなる(先頭車の制動装置はHSC)

連結器は他系列と連結しないため、電気連結器を省略している

車内は、冷房吹き出し口を車内中央に設置、車内灯・車内スピーカー・つり革の位置も同一方向にあわせ、複雑な車内見付を改善

南海では初めて、三菱製補助送風機(通称・ラインデリア)を設置し、ラッシュ時や湿気が高い時期に快適な車内居住性とした
まさやんの鉄道話-南海8200系その2











車体は軽量ステンレス鋼体となり、先頭車前面ガラスが拡大され、外周にはFRP製の飾りがつき、新造当初から先頭車前面貫通扉に車号板が取り付けられた

また、列車無線アンテナが新型のMPS-E-179-Aとなり、取り付け位置が従来の先頭車中間部から乗務員室上となった

(写真は南海電車まつりにて)

(写真協力・友人A氏)


1次車はこの仕様で製造、2次車は力行直並列切替時のショック防止のため、抵抗値が変更され、直列回生制動失効時のショック防止ブレンディング回路を追加、車内ではつり革の持ち手形状が変更された(ブレンディングとは電空切替時における制動力落ち込み防止の意味)

3次車は、当時製造していた本線用9000系と同様に、主電動機は界磁絶縁をF種からH種に変更した

MB-3280-BCに、前照灯をシールドビーム化、側面車側表示灯を2段化、前面外周の飾りが9000系と同じとした

また、劣化しやすいゴム系は全て黒色となり、冷房装置はロータリーコンプレッサ搭載のCU-191Bに変更された


これ以降の改造工事は、昭和62年11月に中間奇数電動車に搭載しているチョッパ制御装置にモニタ装置設置工事を受けている

モニタ装置は制御装置の外側に取り付けられた


平成6年2月から12月にかけて、現行塗装に変更され、平成7年3月から5月にかけて、トランスポンダ式列車種別選択装置及び乗務員室内スタフELディスプレイ交換工事を受けた


編成はなんば側からTc1-M1-M2-M1-M2-Tc2の固定編成

6連3本18両全て、小原田検車区に在籍しているが、運用上千代田検車支区をベースにしている


運用は6連運用可能の全ての種別に入る


なお、平日朝ラッシュ時急行に設定されている女性専用車がない

これは、6連固定運用限定で、多系列併結ができないため


高野線唯一の界磁チョッパ制御車であり、両数も少なく、写真撮影は苦労しますw

でも、休日ダイヤでは各駅停車運用に入ることが多く、また、泉北準急にも入るため、平日よりは狙いやすいかもね




さて次回は・・・・


本線唯一の界磁チョッパ制御車9000系です


ではまた電車