↑森ノ宮区と大阪城公園を車窓にクハ103-1を最後部に大阪を目指す大阪環状線内回り電車。2007年。

アーバンエリアの中でも特に繁忙なのが大阪環状線。関西に来てからのクハ103-1は長らくここで活躍してきた。
そんな大阪環状線でも電車の混み方に特徴がある。大阪からの外回り電車の場合、先頭車が特に混むのだ。先頭は立ち客で満員でも最後部には空席がある場合も多い。
大阪キタの繁華街の位置や阪急電車の乗り場などそちらの先頭車に乗客が流れやすいのだろう。片町線(学研都市線)の乗り換えも便利だ。
したがって大阪~京橋では外回りでは先頭、内回りでは後部のクハが常時混んでいた。

クハ103-1は正にその混雑する側の先頭で頑張ってきたのである。
トップナンバーと言っても2代目であるが、こちら側のクハには若番が多かった。延命Nや特別保全工事を受けているものはあったが、大がかりな体質改善はなく、冷房改造や戸袋窓の閉鎖が目立つ程度である。
朝晩には大和路線に乗り入れ、高速走行をする運用も受け持っていた。大阪環状線とは別人のような走りっぷりであった。

201系が森ノ宮区に転属して来ると、さすがに後期の体質改善車が残存することになった。トップナンバーもこれまでか?と思われたが阪和線、日根野区に転出することに。

↑天王寺に到着するクハ103-1。後部は2である。2011年。

もちろんスカイブルーに塗色が変更され天王寺寄りの先頭に立った。ワイパーが増設されている。
阪和線でもどちらかと言うと天王寺寄りが混雑する。天王寺の改札や乗り換えはこちらがメインになるからだろう。とことん第一線、それも繁忙なポジションを任される持って生まれた運命なのだろう。

和歌山寄りのクハは同じ若番のクハ103-2である。↓こちらは片町線や福知山線での活躍が印象にある。

しかし、森ノ宮区からオレンジ色の後輩が転入してきて2011年3月には廃車となった。

その後は吹田工場にスカイブルーのまま置かれ、一般公開の時には幕回しのサービスも行われていた。
2015年、オレンジ色に変更された姿で梅小路の京都鉄道博物館にやって来た。繁忙の神様らしく新快速幕の姿で。