栗山善助、18歳☆ | げむおた街道をゆく

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永禄11年(1568)頃のこと。
 

この頃、黒田官兵衛孝高の家臣に、大町何助という者があった。

彼は隠れなき強者であったが、
官兵衛に対し逆心の色が表れていたため、

官兵衛は栗山善助利安と、上原新左衛門とに、
これを殺すよう命じた。
 

ちなみにこの頃、栗山善助は18歳である。

折しも官兵衛の邸宅には来客があり、

栗山善助はこの給仕をしていたのであるが、

官兵衛より何助の所へ使いに行けと言われ、大事の使いであるからと、

黒田家に伝わる『森田刀』と呼ばれる重代の太刀を貸し与えられた。

栗山善助はあえて肩衣袴という公的な衣装のままで向かい、

何助が丁度家に滞在していたので、このように言った。

「本日は御使に参りました。

その内容ですが、先日上方よりこちらに下ってきた商人が死亡した件、
大変難しい案件でしたが、あなたのご才覚のお陰で無事に相済み、

後は荷物を改めそれを上方に送れば埒の開く事となりました。

ですので、貴方が保管しているあの商人の荷物を、

私に相渡すようにとの御意でございます。」

何助は、

「心得たり。」

と了承し、立ち上がって手軽く支度をし、酒を飲み、従者に鑓を持たせ、

いかにも用心した様子で、

「荷物をおいた所に行こう。」

と道を進んだ。

 

彼も官兵衛の様子を怪しみ警戒していたのだろう。

やがて道の途中で、何助は2尺9寸(約88センチ)ある大太刀を抜くと、
「どういうわけか胸騒ぎがする。

これより御着城(官兵衛の主君・小寺政職の居城)に退き、
私に私曲が無いことを申し上げてくる!」
と、道よりすき田の中に飛び降り、罵り喚きながら去ろうとした。

栗山善助はこれを追いかけ、

「其の方は酒に酔い狂っているのか!?」

と色々と言いあしらってみたが、
何助は全く納得せず、もはや是非に及ばずと思い、声をかけ、

何助が立ち向かってくる所を、
跳びかかり抜き打ちにした。

ほぼ相打ち、であった。

が、善助の太刀が一瞬早く何助の右袈裟に当たったため、彼は刀を取り落とした。
このため善助は、何助の頭を両断した。

この時、地面に石があって、刀の切っ先の刃が少しこぼれた。
この時は誰か人を呼ぶ時間もなく、上原新左衛門と事前に相談することも出来なかった。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 黒田家の一老、栗山利安

 

 

 

ごきげんよう!