島津義久と義弘は、年が近い(2歳差)ことから、
よく一緒に、祖父・忠良の教えを受けていた。
あるとき、幼い二人が合戦の秘訣を忠良に尋ねたところ、
忠良は二人に別々の答えを与えた。
義久に対しては、
「戦において、大将というのは常に堂々と構えて居らねばならぬ。
目先の事にとらわれて狼狽したり、軽率な振る舞いを起こさぬ事が勝利を得る秘訣である。」
義弘に対しては、
「戦において、重要なのは最後の最後に勝利を得ることである。
それを思えば、序盤の不利を憂えてはならぬ。
また、序盤が優勢であるからと決して油断してはならぬ。」
二人の適性を見抜いた上でこう答えたのか、
それとも将来の家中における役割を考えた上で言ったのかは分からないが、
後の兄弟の役割分担を考えると興味深い教えではある。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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