十時連貞☆ | げむおた街道をゆく

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江戸城下にて。

 

ある虚無僧が、市中で托鉢をしているとチンピラ3人ほどにからまれた。
虚無僧は相手は刀を持っているし、第一に騒ぎを起こしてはまずいと考え、

身を翻しその場から逃げるが、チンピラたちは面白がって虚無僧を追いかけはじめた。
 

逃げる虚無僧、追うチンピラ。
しつこく追ってくるので、虚無僧はなおも逃げる。
 

チンピラどもは、虚無僧がなおも逃げるのでさらに追う。
逃げ……るのも馬鹿らしくなったので、

その虚無僧はチンピラどもに向かっていくと刀を奪い、あっという間に、
そのチンピラどもを斬り伏せてしまった。

そこで騒ぎを聞きつけた捕吏が駆けつけ、その虚無僧を召し捕らえた。
虚無僧は大人しく縄につき、取調べをうける事になるのがだが、

捕吏は名前を聞いて驚いた。
 

虚無僧、

「立花宗茂が臣、十時連貞と申す。

それがしは騒ぎを起こしてはまずいと一度は逃げ、
穏便に済まそうと思ったのだが、
いかんせん相手が分を弁えず、

追ってきてその身を守るため致し方なく応戦した次第である。」
と名乗り、騒ぎの顛末を臆することなく説明した。

そう、この虚無僧は、托鉢をして浪人中の主君・立花宗茂の生活費の足しにと、

家臣の十時連貞が変装していたのである。
 

相手は浪人中とはいえ以前は10万石越えを大名の家老格。

捕吏は対応に困り上役に相談。
その上役も上に話をもっていき、

とうとう幕臣・土井利勝の耳に入るまでになってしまった。
 

その結果、土井利勝の裁量で、十時は無罪放免。

立花宗茂は土井利勝の知己を得て、御書院番頭として、
徳川家に仕えることになるのである。

後に旧領にまで返り咲く立花宗茂。

そんな宗茂が徳川家に仕えるきっかけになった忠臣のお話でした。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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