九里信隆、謀殺☆ | げむおた街道をゆく

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その頃、近江の国衆に、

久里備前守、山中新左衛門という人があった。

彼らは三好と一味し、
ややもすれば公方足利義稙を保護していた、近江守護である六角氏の下知にも背いた。

しかし山中新左衛門は討ち死にをしたのだが、久里備前守は猶残り、

しかもその勢力は大きく、
六角家にとって邪魔な存在ではあったが、自分たちに被害なく滅ぼす方法は見つからず、
六角高頼も、どうにも出来ないと彼に手を出すことをためらっていた。

しかしこの度、六角家を継いだ六角定頼は、

船岡山の戦いで抜群の大忠があり、

従四位下に補せられた。

 

この期に久里を誅すべきと、密かに公方へ申し上げ、加勢の約束を得た。

さて、ある日突然、六角定頼は、

「伊勢へ参拝する。久里も供をせよ!」

と、近臣である種村三河守、狛修理亮、田中、二階堂といった者たちを供に、

久里の館に入った。

久里は驚いたものの、様々に彼らをもてなし、数献の酒のうちに、

御供衆も定頼も沈酔し、定頼は久里の膝を枕にして空寝入りをした。

その時、多賀豊後守、吉田、永原といった者たちが、

公方よりの御加勢二千騎を率いて、
久里の館を取り巻き鬨の声を上げた。
 

これに定頼は驚いた風情にて、

「こはいかに!?」

と飛び起き、即座に太刀を取って久里を討ち取った。

こうして六角は年来の本意を達し、近江の国衆はようやく定頼に従った。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 六角家の全盛期を築く、六角定頼

 

 

 

ごきげんよう!