河越城の戦い☆ | げむおた街道をゆく

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天文15年、扇谷上杉・山内上杉・古川公方らを中心とする関東諸侯連合軍は、
北条家の主力が、今川と河東で争っている隙をついて北条領に進軍。
北条屈指の猛将・北条綱成が守る河越城を落とさんと、

八万を超えると言われる大軍で攻めていた。


ところが河越城、なかなか堅牢であり、

そうやすやすとは落とせぬまま半年が過ぎようとしていた。

憲政、

「そうは言っても北条の主力は動けないとわかりきってるので気楽なもんです。」

まあ大体ダラダラやってりゃ勝てそうな状況に、

兵士達の士気もやや下がり気味な関東連合軍。
 

そんなある日のことである。

パッカラパッカラパッカラパッカラ。

兵士、「あれ? なにこの勇ましい馬の足音。」
兵士、「まさか敵襲?……ってそれはないかぁ。」

徐々に近づいてくる馬蹄の音。

兵士たちがそこで見たものは……。

兵士、「女だー!」
兵士、「美少女だー!」

長い黒髪と打ち掛けをはためかせ、艶やかな化粧をした美しい少女が、
馬に乗って関東連合軍のど真ん中を突っ切っていったのである。

なんだったの今の?
あまりの少女の美しさに、誰もが身動き一つ出来ずに、

彼女を見送ることしかできなかった。

その頃、河越城内では。

綱成、「なに? 御本城様の援軍が、すぐ近くまで来ているだと!」
美少女、「はい、機が参りましたら奇襲をかけるとのことです。」
綱成、「そうかわかった。ありがたいことだ。
   これでいい気になって城を囲む連中の鼻をあかせるというものよ。
   しかし弁千代、お主よくぞ、この包囲網の中こうして城内に参ったものぞ。
   さすがは儂の弟じゃ。」

実はこの美少女、正体は“地黄八幡”北条綱成の実弟・福島弁千代であった。
彼は兄の窮地を救うため、氏康に願い出てこの危険な伝令任務を受け持った。
美少年として知られていた弁千代は、己の大変な美貌を武器したのだった。

この後、関東連合軍は氏康率いる奇襲部隊と綱成率いる河越守備隊に散々に蹴散らされ、
関東管領の権威は完全に失墜することになる。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 地黄八幡の旗、北条綱成

 

 

 

ごきげんよう!