女人を禁制なさり☆ | げむおた街道をゆく

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北条氏照と申すは、北条氏政の弟の中でも、武勇に優れ、特に大名であった。

上杉(山内上杉氏)の老臣に大石源左衛門定久という人がいた。
この人は木曽左馬頭義仲12代の末葉である。

代々武蔵の守護代だったが上杉滅んで後に氏康へ降参し、
後に男子なくして氏康二男の氏照を婿にとり名跡を継がせ、

氏照は“由井源三”と称した。

(中略)

ところで、氏照は先年の三増合戦(三増峠の戦い)で打ち負けて逃れ難い時があったが、
この時に山上で飯縄神へ祈念し、10ヶ年の間の女人禁制を立願なされた。

帰還した氏照はその時の祈念を果たそうと、

ついに御前の方へ御入りにならず数年が経った。
かの女性はこれを夢にも知らず、氏照は自分を疎んで仇があると恨み、

ついに思い沈み早世したのだという。

死後に書き置いた文言を見て氏照は後悔されたが叶わず、

氏照もこれを本意なく思いなされて、
ついにそれより女人を禁制なさり、

その一世はただ出家の行儀と同じであった。

さてまた、大石には因もあるからと本姓になり返り、北条陸奥守氏照と申した。
また瀧山の城(大石氏の居城)は名城ながら瀧には“落ちる”という事があるから、
城の名には禁忌だとして八王子に移ったのであるが、

天正18年、ついに運尽きて落城した。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

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→ 武勇優れて、北条氏照

 

 

 

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