物見の活躍☆ | げむおた街道をゆく

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戦国時代の合戦において、最も重要だと考えられていた職種は、物見であった。

武田信玄も、

「軍において物見が無いと言うのは、石を抱えて淵の中に入るようなものだ。」

と語っている。
 

どこの軍でも物見は敵の様子を探り、

味方の軍略の方針を決める重大な情報を収集する役割であるため、

戦場の場数を得た、巧者武勇の者が特別に選抜された。
そのような「戦場の華」、物見の活躍を見てみよう。


北条氏直と佐竹義宣が、下野にて対陣したおりの事である。
氏直は山上三衛門、波賀彦十郎の二人を、佐竹の動静を探るため、

両軍の境目へと物見に派遣した。

二人がその境目から一町ほど中に入った時、

地に臥せっていた敵の軍兵が一斉に立ち上がった。
待ち伏せだ。
二人は敵にたちまち取り囲まれた。

先ず三衛門、彼は逃げ道を塞がれた。

そこで逆に、北の方の敵陣に向かって馬を駆けた。
駆けつつ群がる敵を押し倒し弾き飛ばし、ついでに首を一つ獲って山に乗り上げ、
そのまま峰をつたって味方の陣に帰還した。

次に彦十郎、かれは敵に完全に包囲された。

だが、敵の本営近くでどうにかこれを突破すると、
かねてから堤伝いに道があるのを知っていたので、そこを南方に駆け抜けた。
だが、敵陣から騎馬の猛者達が出撃、彼に追いすがる。
二間、三間と熾烈な逃走劇が続く。

しかしいよいよ敵に追いつかれる、その時である。
彦十郎は堤から河に、馬と共にダイブ!
そのまま泳ぎきり敵の追跡から逃れ、味方の陣に帰還した。
 

彼はかねてより、馬の水練も怠り無かったのだ。

この両人、武勇類なしと高くたたえられ、氏直より名馬を拝領したと言う。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 関東支配の終焉、北条氏直

 

 

 

ごきげんよう!