十人目の名は☆ | げむおた街道をゆく

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尾張藩初代藩主となった徳川義直は、

藩政に尽力して東海地方の産業振興に大いに寄与し、

自身は質素倹約を旨とした名君であった。

ある時、義直は家臣達に命じた。
「我が家中にて、この者はけしからぬ(無能、傲慢、怠惰…等)と思う者の名、

十名を紙に書いて私に提出せよ。」
 

つまり、「家中の問題児は俺が直接指導してやんよ!」と言う事だ。
 

家臣達は、思い思いに紙に名を書き、義直に提出した。
集計した義直は奇妙な事に気づいた。

ほとんどの者が九名の名を書いているのだ。
 

義直、「どう言う事だ?

確かに、十名の名と命じたはず…。

なぜ皆、十人目を書いていないのか?

誰だ? ここに書けぬ人物の名は…?」


ひとしきり思い当たる人物の名は、すでに書かれてあった。
思案に思案を重ねる義直。

…そして思い当たった!

「そうか! 私か!」

そう。

皆、書くに書けなかった「十人目の名」は当主・義直の名であった。
たとえ名君と称えられても、やはり上司と言うのは部下から煙たがれるのは、

何時の世も同じであった。

義直もこれに反省し家臣には、より気を配るようになったと言う。

 

 

 

戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。 

 

 

 

こちらもよろしく

→ 尾張大納言、徳川義直

 

 

 

ごきげんよう!