1582年の武田攻めの際のこと。
弘妙寺に森長可の一行が訪れた。
森長可、
「おい、坊主ども。俺たちは腹が減ってるから炊き出しをしろ。」
いきなり上がり込むやこの態度。
しかしながら当時の住職、日藤上人はこれを断った。
森長可、
「ほぉ・・・いい度胸してるじゃねぇか。
腹が減って困ってる俺たちに、出す飯はねぇってか?」
だが頑なに日藤上人は聞き入れない。
そこで長可は・・・。
森長可、
「クソ坊主が飯を出さないので気付いたら放火していた。反省はしていない。」
寺に放火した。
しかしながら珍しく、
「仏に罪はないんじゃないか?」
などと考えた長可は、寺の仏像だけは外に出させた。
長可、
「仏は川向かいの畑にでも置いとけ。寺が燃える様子でも見せてやるといい。」
この一件以降、その仏が並べられた畑は、
「仏畑」という名前で呼ばれるようになったという。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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