召仕の男女に、もし密会の不埒があれば、
双方とも斬罪とするのが古今とも武家の重き定法である。
とはいえ、色情は富貴の名主も下賤の者も陰陽合躰の道、
人たる者に変わりはない。
そのような事があれば主人は勘弁して双方を呼び出し、
当座の戯れなのか夫婦の契約なのか聞き届けるべし。
死生ともに申し合わせた契りだというのならば、
宥免して罪の程を許し、所帯を持たせよ。
そうすれば男女とも心魂に徹してありがたく思い込み、
事ある時には先途の用に立つこともあるだろう。
今川了俊の条目にも、
「恩の為に死ぬ者は少なく、情の為に死ぬ者は多し。」
と書かれている。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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