徳川秀忠の仰せによると、
「人はただ我が身が他人より劣っていると知って、諸事を慎むべきである。
愚人は蛤の貝の片一方を持ってその対を探し求めている時に、
合わなければ、たちまち怒って持っている貝を捨てる。
先程から持っている、貝が劣っているわけでもない。
自身の心の仕業である。
人々はみな自分の悪を忘れて、友を恨み嫉むのだ。」
とのことであった。
この物語りは、阿部備中守(正次)が聞き覚えていたものである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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