米沢の城下に時々現れては人々に因縁をつけ、金を巻き上げるならず者がいた。
男は鼻毛が伸びていたので「ハナゲ」と呼ばれていた。
それを知った慶次は男に、
「その鼻毛を買ってやろう。」
と手付け金を渡し、
「一ヶ月したら残りを払うから屋敷にくるよう。」
に言った。
一ヵ月後、男が慶次の屋敷を訪ねると、
慶次は、
「もっと長い鼻毛が欲しいから肥料をやろう。」
と言って、便所から汲んだ「肥」を男の顔にぶちまけた。
金のためなら多少のことは我慢しようと思っていた男もこれにはまいって侘びを乞うた。
慶次は男に、今後悪さをしないことを誓わせ、約束どおり残りの金を渡した。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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