クェス・パラヤ | げむおた街道をゆく

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クェス・パラヤ(Quess Paraya)
声 - 川村万梨阿(映画版) / 荘真由美(角川カセット文庫版)

13歳の少女。髪型を左右で長さの異なるツインテールにしている。アデナウアーの娘で民間人[9]だが、ニュータイプ[1]の資質を持ち、作中では敵味方の陣営を転々とする。
感受性が強く[6]、他人の心情を敏感に読み取ったり[1]、相手が自分に対してこの先どのように関わってくるかを予見することができるという鋭い直感力を持つ一方[10]、そうした振る舞いが彼女を情緒不安定で奇異な存在に見せている[11]。感情の起伏が激しく[1]、浅薄で[11]、周囲の状況を考えることができずに自分勝手な行動をとってしまったり[1]、思ったことを包み隠さずに口にしてしまったり[10]するような短所を持つ。
作中では複雑な人間関係を演じ[12][13]、ハサウェイ、ギュネイの2人から異性としての好意を寄せられるものの、その内面は愛のない家庭で育ったことによって傷つき[9]、父親の愛情に飢えており[9]、アムロやシャアに父親的なものを求め[14][15]、またチェーンやナナイには激しい嫉妬を向ける。
地球生まれの地球育ちだが、誰もがニュータイプになれれば人は分かり合えるという考えを持ち[9][16]、かつて不和を抱える家から家出をしてインド[注 2]のクリスティーナという女性のもとでニュータイプになるための修行をしていた経験を持つ。
第二次ネオ・ジオン抗争の始まった頃に父の依頼を受けた警察によって修行から連れ戻され、父と共に旧ホンコン[18]の宇宙港から宇宙へと上がり、相席したハサウェイと知り合うが、この際に自分たちの搭乗するシャトルが落下中の5thルナとニアミスすることを予知している。宇宙ではロンド・ベルに身を寄せ、ニュータイプであるアムロやモビルスーツの操縦について興味を持つようになるが、次第に自分が周囲から冷遇されていると感じるようになり、チェーンとアムロの関係を察した際には彼女と衝突し、自分はアムロの傍にはいられないと感じるようになる[19]。その後サイド1のコロニー・ロンデニオンでシャアと出会い、アムロとシャアが格闘するのを目撃したクェスは、シャアの味方をして彼を助け、彼の誘いに応じてネオ・ジオン側へと身を寄せる。
クェスはシャアが掲げる思想や自分と同じような孤独感に共感し[9][20][注 3]、同時に彼に対する独占欲を抱くが[9]、しかしシャア自身はクェスのことを持て余し、優しく振る舞いつつも彼女を戦争の道具として扱うだけであった[9][11][15]。このことはクェスに恋心を寄せるギュネイの反発を招くが[1]、クェス自身は、自分がシャアからそのように扱われていることには気がつかなかった[9]。
ニュータイプ研究所で心理的な刷り込み[25]や訓練を受け、ファンネルを使いこなすなど非凡な才能を見せ、ニュータイプ専用機ヤクト・ドーガやα・アジールの性能を発揮していく。一方で初陣となるルナツーでは、自らが攻撃した巡洋艦のブリッジに父アデナウアーがいたことに気付かないまま父親を手にかけることになり[注 4]、それを期に感情のバランスを失っていく[20]。地球がなくなれば人は誰もがニュータイプとなって分かり合えるというシャアの思想を信じ[注 3]、地球連邦軍を相手に戦い続けるが[注 5]、最終的には戦場で彼女を慕うハサウェイと再会し身を挺した説得を受けるもそれを拒み、彼女の存在を危険と感じたチェーンの攻撃によってα・アジールもろとも撃墜され、戦死した。クェスが死の間際にとった行動は、チェーンからの攻撃にハサウェイを巻き込むまいと遠ざけ、彼を助けようとするものであった[注 6]。クェスの最期を挟んだ一連の場面は、大義ではなく個人レベルの行き違いが悲劇の連鎖となっていく展開となっており、映画における見せ場のひとつとして構成されている[2]。また、クェスが求め続けていた父親を得られなかったことは、映画の終盤におけるアムロとシャアの最期の会話でも触れられることになる[14][15]。
小説『ベルトーチカ・チルドレン』では、ネオ・ジオンに身を寄せた直後からα・アジールを乗機として与えられるほか[29]、その最期の経緯が映画版と異なっている。同作ではジェガンに乗ったハサウェイが、図らずもシャアのナイチンゲールに向けたつもりの攻撃[注 7]をα・アジールの操縦席に直撃させ、クェスを殺害してしまう結果となっており[30]、この出来事が同作の続編『閃光のハサウェイ』へと尾を引くことになる[注 8]。一方で後年製作されたOVA『GUNDAM EVOLVE 5』では映画や小説とも異なる展開が描かれ、小説とは逆にクェスがハサウェイの乗機を撃墜してしまうものの、アムロによって諭され、辛うじて生存していたハサウェイを救出するという結末が描かれている。
作中におけるクェスの立ち位置は、『機動戦士Ζガンダム』の主人公カミーユ・ビダンを意識したものであるといい[31]、カミーユ同様に当時の大人から見た若者像が反映されているといわれる[11][32]。映画でクェス役を演じた川村は、その性格がネガティブに受け取られないよう注意して演じたが[6][10][注 9]、そのエキセントリックな人物像はファンの間で否定的な評価も寄せられたといわれ[11]、賛否が分かれた[33]。キャラクターデザインを担当した北爪は、クェスが作中で最も手間がかかったキャラクターであるとしており、監督の富野が思い描くイメージを把握するまで何度も手直しを重ねたという[34][35][注 10]。
初期設定では「クェス・エア (Quess Air)」という名前で[37]、本編劇中にもネオ・ジオンにおいて彼女が地球連邦政府高官の娘であることを隠すためにこの名を偽名として用いる場面がある[注 11]。本来の姓である「パラヤ」は、彼女が修行を積んだインドのカースト制における不可触民、パライヤールからとられているとのこと[39]。不可触民とはカーストの階層外の者を示す。


以上、Wikiより。