最上義光は、家中(屋敷内?)では常に愛用の鉄砕棒を片手に携え、
他家の使者と会う時も片時もそれを離す事はなかった。
しかし小田原陣が終わり、太閤の御世に京の殿中(宮内?聚楽第?)に上がる際に、
鉄砕棒を持ち込むのには流石に気が咎めたらしく、
代わりに胡桃や石を握り手空を慰め様としたが、どうも落ち着けない。
他の大名らが刀の代わりに鉄扇を使用しているのを知り、
頼んで持たせてもらったが、
まるで箸を持つが如く軽くて小さくて余計にもやもやしてしまった。
義光、「…ないなら作ればいいよね?」
殿の鉄扇が肉厚で重くて巨大なのはそのためである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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