伊達政宗公が機嫌の悪い時は、側で仕える者達は、
御用や御座敷の立ち回りも、自然と、
政宗公と顔を合わせないよう、うろつくことが多かった。
そこで政宗公は、
「俺が機嫌が悪いからと言って、咎もないのにどうして腹を立てることがあるものか!
俺が恐ろしいからといってうろついていれば、
そのために仕事の間違いも起こるものだぞ。
そうなったらお前らも叱られ、
俺の腹立ちも止まらなくなるじゃないか。
俺だって機嫌が悪い日は、心を鎮めるようにしているんだ。
お前たちも、咎がなければ大丈夫だと思って、
そういう心の面から過失を起こさないように奉公せよ。」
そのように仰り、何でも、少し心の静まるほどの、
今昔の物語などされて、自らご機嫌を直されるようにしていた。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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