敵方であっても国持大名ほどの人には、
侮蔑して足軽大将とか何とかと呼ぶことはせず、
ただ「大将」と呼ぶべきである。
敵の大将を口汚くいうのは、弱将の下に属する未熟な兵達の作法だ。
大体一国の大将ならば、敵味方にかかわりなく、話すときでも書面でも、
敬意を表すのが礼というものだ。
何故なら、日本全体でも一国の将と言えるのは百人に満たず、66人にすぎない。
だからこそ、一国の将で古来から続いている大将には、
その家柄を思い敬うべきであり、
同様に新たに興った国持大将には、その知恵や強運を思えば、
下卑するのは非礼で良くない事である。
敵を謗るというのは、自分の国が逆に弱いからである。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
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