佐竹義重は、就寝時、敷き布団を使わず、
いつも薄い布を板張りの床に敷いて寝ていた。
(非常に暑がりな体質だったらしい。)
晩年、家督を義宣に譲るが、
関ヶ原の合戦後、出羽久保田へ転封される。
老いて北国出羽に移る事になった義重に、
義宣は、
「流石に出羽は寒さが酷く、御身体に障るので御布団と寝間着を贈ります。」
と、手紙を添えて布団を贈った。
息子の気遣いに、大喜びの義重。
早速布団を敷き、眠りについた。
だが暫くして…。
「暑い!」
と布団を撥ね除け、
またいつもの様に薄い布を敷き、
再び就寝した。
「老体となっても相変わらず…。」
と義宣も、苦笑するしかなかった。
また義重は毎日、寝床の場所を変えて、暗殺に備えていたらしい。
寝る事にこだわる武将、佐竹義重であった。
『戦国ちょっといい話・悪い話まとめ』 より。
こちらもよろしく

ごきげんよう!