普通の鉄道路線は運賃を支払えば乗車できますが、富山県には無料で乗
車はできますが、抽選で選ばれた応募者だけが乗車できる特別な路線が
2路線もあります。
一つは先日紹介した、日本一の42段スイッチバック路線の立山砂防工事
専用軌道です。 そしてもう一つが、関西電力黒部ルートとなります。
関西電力黒部ルートは黒四ダムなどの奥黒部の電気事業関連の資材など
の運搬を主目的に造られた路線ですが、関西電力の「黒部ルート見学」とし
て発電所などの見学を合わせて、専用軌道などにも乗車できます。
私は2回体験乗車してますが、2009年に参加した時の様子を紹介します。
トロリーバス黒部ダム駅が集合場所となります。(黒部渓谷鉄道欅平駅集合コースもあり)
10時45分が集合時間なので、立山・黒部アルペンルートの立山駅始発に乗車すれば間に
合いますが、前日から室堂などに入って、山小屋で一泊しました。 夜を山小屋で過ごすのも
楽しかったです。
駅長室の横が集合場所となっていて、看板も立てられますので、集合時間迄は黒部ダムなど
を見学して時間をつぶせます。
参加者は30名程です。 通常平日に開催されますが、抽選倍率は高く、特に夏休み期間など
参加者受付後、関係者入口に通され、ヘルメットが配布されます。 この後のコース内は
ヘルメット着用が義務付けとなります。 通常の観光バスに乗車し黒部トンネルを走行し
ます。 通常のトロリーバスの路線では無く、黒部川第四発電所へと続くトンネルです。
途中でバスから下車し、トンネルの避難通路を歩き、トンネル外へと出てみます。
後・剣岳の風景を見ることができます。 あいにく雨雲がかかっていましたが、後・剣岳の
下車時間を合わせて40分程で、インクライン乗場に到着します。
インクラインとはケーブルカーの一種で、一般的には荷物輸送につかわれる場合が多い
方式です。 通常は上・下の双方の車両が同時に出発し中間地点で行違いとなりますが
インクラインは1両の車両のみが上下しています。 青函トンネル竜飛斜坑線も同様の
黒部ダム方面から黒部第四発電所へはインクラインは下りとなります。
宇宙船のような客室は、取り外しも可能で、大きな貨物輸送も可能なようです。
客室内には座席もあり、参加者が一度に乗車できる広さです。 10分程の乗車です。
インクライン下部駅は黒部川第四発電所となっています。
事務所内の会議室で黒部川発電所の説明を受け、昼食休憩をとります。
発電所内での昼食となりますので、お弁当は必需品です。
ちなみに、欅平駅出発コースの場合は、解散後の昼食となりますので、発電所内で
昼食後、黒部川第四発電所内を見学します。 巨大な発電所ですが、現在は無人化され
遠隔操作されているようで、通常職員は駐在していないとのことです。
NHK紅白歌合戦で中島みゆきさんも大晦日に訪れて歌った場所です。
バッテリ式のトロッコ列車で欅平駅へと向かいます。 狭軌路線?の狭い車両です。
基本的には資材運搬用で、トロッコ車両には乗客が4名で満員です。
又、狭いトンネルを通るので、高さも低く、頭を曲げて乗車する必要があります。
途中、小説「高熱隧道」で知られる、摂氏165度にも達する高熱岩盤地帯では、ドアを
開けて暑さの体験もできます。 すごい熱風を感じる場所でした。
仙人谷駅で一時停車します。 雪囲いでおおわれた通路内の駅です。
仙人ダムの正面で停車しますので、ダムと山並みが風光明媚な場所で休憩となります。
欅平駅の上部に到着します。 トロッコ列車はエレベーターで下部の欅平駅へと移動
見学者はトロッコ列車より下車し、人員用のエレベータで下ります。
欅平駅の奥に、関西電力専用の乗場があります。 トンネル外も見られます。
一般乗客用の欅平駅迄の数分間トロッコ列車で移動となります。
黒部渓谷鉄道の欅平駅のホームにて、関西電力「黒部ルート見学」は終了となります。
約5時間程のツアーの解散となります。
欅平駅からは、黒部渓谷鉄道に乗車し、宇奈月駅へと向かうことになります。
乗車運賃は別途必要となりますが、黒部渓谷鉄道の楽しめる「黒部ルート見学」ツアー
となっています。
立山・黒部アルペンルートで黒部ダム駅に入り、関西電力「黒部ルート」で欅平駅へと
乗車、黒部渓谷鉄道に乗車し宇奈月駅、富山地方鉄道の宇奈月温泉駅から地鉄電車に
乗車するで、テツの方々には凄く深いコースとなるのではないでしょうか?
観光路線とは異なり、一般には公開されいない交通路線ですが、立山・黒部
アルペンルートと黒部渓谷鉄道とを結ぶ路線として、富山県などは利用でき
ないかを検討しているようです。 現在は関西電力の施設内を利用する場所
も多く、難しい点も多いと思えますが、一度は応募して乗車してみてはいかが
でしょうか? 他の路線では味わえない鉄道路線ですヨ。
本年の「日本※※駅」の紹介はこの駅迄となります。
来年からは「JR最長片道きっぷ」の旅で立寄った「日本※※駅」を紹介し
たいと思っています。