20240518  統合と融合 | 阿岸鉄三“わたしの視点・視座・視野”

20240518  統合と融合

20240518  統合と融合

新聞に表題が東京工業大学と東京医科歯科大学の統合の記事が載っていた。私にとって医学と工学の統合は30数年来の考え方である。そのために日本医工学治療研究会を立ち上げた。現在では日本医工学治療学会となっている。あえて言えば私にとってはこの統合は必然であったのである。しかし、この記事の表題には説明的に医学と工学技術の融合とサブタイトルがついている。待てよ、これは理解されてないぞ。統合は統合であり融合は融合である。統合の言葉に日本国民が出会ったのは終戦後間もなくに作られた新しい日本語憲法で天皇は国民統合の象徴であるとしているで、あろう。しかし当時の国民は統合の意味をよく理解していなかったと思う。アメリカの繁栄は移民による人種のるつぼが力を与えているとされた時代があった。しかしその後これはサラダボウルと言い換えられた。つまり坩堝では構成している個々の要素を認識することができない。サラダボウルとなると何が構成要素となっているか認識することができるというわけだ。私はこのサラダボウルの考えが統合の考えに合致しているものと考えている。平たい言葉で言えば束ねるということだろうか。今日の医学技術の発達は工学技術を取り入れることで進んだものである。ここで言う工学は当然のことながら機械工学や分子工学あるいは生物工・遺伝子工学に至るまでの広い分野を含む工学を意味している。

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