20240510  事ともせず | 阿岸鉄三“わたしの視点・視座・視野”

20240510  事ともせず

20240510  事ともせず

平家物語を読んでいると事ともせずという表現が出て来た。現在の使いかたでは明らかに物ともせずとなるはずのところである。事は理由とか現象とか何かを説明する抽象的な概念であるのに対して、物は見ることのできる実体的存在である。時代を経る間に日本語でいつかどっかで入れ替わったことがあったのだ。しかし事と物とは別のようでありながら物事といったりする。物事は物なのか事なのか、なんだか何かはっきりしないまま現代用語で普通の使いかたとなっていると思う。そういう見方で日本語をみるとなかなか面白い。もう一つ、間という言葉は、床の間があり時間がある。床の間は空間であり時間は時で別のものであるはずだ。間とはなんなのか。。。

Original description 20240508