ある国の近未来の物語です。読んでいただければ幸いです
2032年の5月3日の新聞各紙に見開きの全面広告が一大センセーショナルを
巻き起こしたのである。世の中はゴールデンウイークの中日で行楽地は人々で
賑わっている最中に法律作成者大募集の広告。
日本は今世界から取り残されようとしている瀬戸際にいます。国の活力も失わ
れ国民各々が自信を喪失している昨今、真に国を憂い、真に国民の幸せを願
う本物の政治家を募集いたします。
募集要項 1、日本国籍を有する方
2、性別、学歴、職歴不問
3、年齢は25歳以上
*応募希望の方にはあなたの主義主張をより具体的に400字詰め原稿
用紙30枚以内に手書きでお送りください。締め切りは来月5日(土)
消印までといたします。尚、原稿用紙の返却はいたしません。
*今回の審査合格者の発表は本年11月3日とし新聞紙上に掲載のうえ
個別に通知申し上げます。その際に第二次審査のご案内をお送りい
たします。
わたくしたちは弁護士、教育者、企業経営者、作家、医者、個人商店主、
ホームレス、NGO、音楽家、歌手、主婦、町の有志などの多彩な者たちが
集い結成された団体であります。決して特定の団体や何らかの意図を持っ
て私利私欲にはしるものではありません。政治家といえば二枚舌や富を築
く者、または権力を笠に着て威張り腐るという側面がいままでございまし
た。国民に慈悲の心で奉仕するそんな政治家を応援したいと願っておりま
すと共に戦争のない平和の世界の実現のために邁進してまいります。
最終合格者には正社員になっていただき来るべき総選挙には政権
奪取で当社から内閣総理大臣を拝命できるように望んでおります。
それまでの期間はあらゆる広報を通じてわたくしたちの活動や運
動等の報告を国民の皆様にはお伝えいたします。諸外国との交流
も独立国家らしく毅然と対応して正鵠を得た振舞いを考えており
ます。わたくし共への応援とたくさんのご応募をお待ちしており
ます。
株式会社憂国烈社 代表取締役会長 田之上頼母
これはフィクションです。
お読みいただきありがとうございました