排便。


それは裂肛疾患で最も大切であると思う。

そんな事件が起こった。


再入院5日目くらいから排便量が若干減ってきているように感じていた。


再入院6日目に関しては便意はあるも便が出ない。

この日の夜は便が溜まっている感じの腹痛でなかなか寝付けなかった。


7日目、朝の回診時に排便がない事を主治医に伝えたが「1日2日でないくらいで大丈夫、長い入院と運動不足で出ないんだとおもうよ。」との事。


私にとっては1日便が出ない事など今までの人生でなかったから一大事である。


過敏性腸症候群


そんな言葉が頭をよぎった。


見た目と違い神経質でメンタルが弱いと自分で感じているが故にそんな心配が出てしまう。


ケツは痛いが病棟を何周も歩く事にした。


7周目くらいで便意が!

本物の便意かオナラかがわからないから少し立ちすくむ。


これは便意かもしれない!


トイレに急ぎ、正しい排便の姿勢をとった。


肛門に何かつっかえている感じがする。


つま先から肩にかけてゾワッと悪寒が来たと思ったら、体が勝手に力んだ。


無事便は出たが、かなり硬い便が出た。


裂肛は悪化したと思う。


がしかし便が出た事。

それだけでめっちゃ嬉しかった。


排便後の疼痛に備えてそそくさとベッドに横になる。


再入院6日目に看護師に言われた言葉が頭をぐるぐるまわっていた。


それは


「◯◯さんの症状でできる事は病院でも自宅でもあまり変わらないかもしれませんよ。自宅の方がストレスなく療養できるのかも。」


入院している意味をもう一度考えてみる。


パートナーにメールで相談する。


退院してまた迷惑をかけるかもしれない事。

ニャンコ達の世話をまともに出来ないかもしれない事。


を伝えた。


パートナーは気にせず帰っておいでと言ってくれた。


もう自分でも何をどうすればいいかわからない。

でも一つわかっている事。

良い便を出さないと治らない。


その為にここにいる意味、ここで療養する意味、自分はこの疾患を治したいのだ。


医師が保存的療法を選択しそれを信じるしかない以上私は良い便を出して、少しずつ治すそれしかないのだ。


それが嫌なら違う医者にかかるしかない。


手術は全く怖くない。

良くなるのであれば今すぐにでも切って欲しいと思っている。


前述した通り、私は主治医を信じるしかない。


退院を決意。


そうと決まればすぐに動きたい性格の私は看護師にその旨を伝え、翌日退院する事にした。