その他の “ ピーク “ | Dr. K  ピークオイル考

その他の “ ピーク “

ハバートに源を発するピークオイル論の関心の中心は原油の総生産量にあるわけですが、その他の ピーク についてみてみます。

すでに言及しましたが、世界のオイル輸出ピークは 2005年から 2006年にかけて、すでに過ぎたようです。

枯渇性一次エネルギーのうち、原油のほかに NGL も重要な位置を占めているわけですが、The Oil Drum Peak Oil Update, Sep. 2007 によると、Crude Oil + NGL : the peak date remains May 2005 “ と、もう 2年半近くにわたり、その記録を超えられていないのが事実です (http://www.theoildrum.com/tag/update )

人口一人当たり、という観点でみると、世界のオイル生産のピークは古く、1979年にピークアウトしている ( オルドバイ仮説、http://dieoff.org/page224.htm , Fig. 2 )

ところで、一国の経済規模は、投入される一次エネルギー総供給量に規定されます ( いわゆるエコノミストの間では、この事実は必ずしも共有されていないのかも知れませんが、彼らの大半は、大局的また文明論的観点が欠落しているんだろうと思っています )

そこで、日本の一次エネルギー総供給量は、と見てみると、1997年度に一度ピークを形成。2004年度に一度記録が塗り替えられたようですが、単年度毎の微変動にあまり意味はなく、今はプラトー期最終盤 = 減耗始期ということではないのでしょうか。

いずれにせよピークは、その只中にいるときはわからない。過ぎてみてはじめてわかるという性格から逃れられない。人類がはじめて遭遇する問題なので、誰も確実なことは知らない……。