ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT | 太田哲也とKEEP ON RACING

ワイルドスピードX3 TOKYO DRIFT

ワイルドスピード



映画「ワイルドスピード」の試写会に行った。

率直に言ってとても面白かった。


とかくレースやクルマを題材にした映画って

僕みたいな人間が観ると突っ込みどころ満載で、

観ているうちにしらけてしまいがちだ。


シルベスター・スタローン主演のレース映画「ドリブン」は、

ストーリー自体の陳腐さに加えて、

公道をF1が走るあたりからしらけてしまった。


そんな思いになるのじゃないかと危惧していたのだが

「ワイルドスピード」は全然そうならなかった。


冒頭シーンから面白かった。

それぞれ個々人の感情もユーモアを交えて

漫画チックに表現してあって楽しめた。

そして、走りのシーンに関しても映画に入り込めた。

それはなぜかと考えてみた。


映画全体を通して、

実際に不可能なことはやらないというオキテが

全編において徹底されてたからではないかと思う。


もちろんエンターテイメントなのだから

できることばっかりが描かれたって面白くない。

ただ物理的に絶対に100パーセント不可能なことはしない

ということを貫くことが大事なのだと思う。


例えば、駐車場でドリフトのシーン。

壁際10mは難しいだろうと思いつつ

できないわけではない。

公道レースの場面でも、可能性は1パーセントくらいでも

100回のうち1回はできるかもしれない、

と思えるところでとどめている。

渋谷の町でのカーチェイスは迫力ものだ。

歌舞伎町のシーンでは、

どうやって撮影したのだろうかと思った。


カーチェイスシーン自体は

ロサンゼルスのダウンタウンに渋谷の町を作り、

それと渋谷で撮った映像を重ねたのだという。

道路標識や建物や看板も日本語で作り直したそうだ。

それにしてもハリウッド映画って金あるよな。

以前、僕の自伝的映画として作られた「フェラーリ」に

自分も「太田哲也」役として出演したことがある。

フェラーリ348を使ってサーキットで走りのシーンを撮ったが、

製作スタッフが50人も100人も必要で、

毎日これでは金がかかるなあ。

札束が飛んでいくなあと人ごとながら思ったものだ。


ハリウッド映画ってすごい。

「これはいくらかかっているのか」と口あんぐりだ。

ところで、オールドフィッシャーマン役で

土屋圭一選手が出演していた。

土屋選手は僕が若いころにアドバンにいたときの

1年上の先輩だ。


「面白かった」と伝えたら「よかった」と喜んでいた。

ある意味、ハリウッド映画出演だもの、すごいことだ。

オールドフィッシャーマンという役どころも面白いニコニコ

ところで、最近はスポコン改造車をあまり見かけなくなったが、

アメリカではこんなに人気なのだなあと思った。


やっぱりクルマってつるしでの乗っているのって、

そのクルマをあがめ祭っているみたいで、

どうも精神的に自分を下に見すぎているように思ってしまう。


そういう意味で、

こういう風にいじり倒したクルマが出てくると、

なんか頼もしい感じがする。

「ワイルドスピード」がきっかけになって

またクルマのチューニングや走りが人気が出るといい。


それにしても、あの爆発炎上シーンだけは気持ち悪かった。

まだ自分の中にあるのかなあ、いろいろな思いが。