ブルース・リーの娘であるシャノン・リーが書いた本。
Wikipediaから抜粋⇩
このように、ブルース・リーは哲学者としても知られている。
本書は、そんなブルース・リーの哲学をまとめた内容。
1.有名な「水になれ」
本書のタイトルにもなっておりブルース・リーのファンなら知らない人がいない程の有名なセリフ「水になれ」
https://youtu.be/8fbXWkQ6mIA?si=h0jDbzD7-Re_tytE
武術だけにとどまらず、人生においても「水になれ」といっている。
本書の最後の方に総まとめ的な一文が書いてあった。
・すべてを見ること
・すべてを受け入れること
・決めつけをしないこと
・現実を分割しないこと
・積極的で能動的な関係を気づくこと
・自然と調和すること
・競わず協力すること
・すべての選択肢が開かれたどんな可能性 もあるまっさらな場所から創造すること
例えば、
課題や障害に直面したとき、苦手な人と接するとき、ショッキングな事件が起きたとき、躓いたとき、、、
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「無理だ」「最悪だ」「終わった」など最初から決めてかかっていないか?
そうではなく、一切の先入観を取り払った単なる事実・現象としてありのまま受け入れること。
「水になれ」とはそういうことである。
2.ジークンドーの信条
これは、ジークンドーのシンボルマーク。
「陰と陽」のように、世の中に存在しているものは、対立しているように見えるが実は、一方がなければもう一方が存在できない。調和を示している。
昼という概念があるから夜という概念がある。
その意味では2つは調和、つまり2つで1つになっている。
先述の、「水になれ」でも
「現実を分割しないこと、自然と調和すること」といっていた。
そして、このマークの周りに書いてある文字は、
「無法を以って有法と為し、無限を以って有限と為す」
と書いてあり、本書によるとそれは、
「形式にとらわれず自分の限界を決めない」を意味しており、まさに水の性質表しているという。
3.博愛主義
ブルース・リーはアメリカにおいて、白人や黒人など誰にでも武術を教えた。
(中国人意外にカンフーを教えることは禁じられていた)
本書によると、ブルース・リーは
「人間、つまり生き物であり創造する個人としての人間は、常に既存のスタイルやシステムより重要である」
と言っていたという。
当時は「白人が優れており、アジア人や黒人は劣っている」というのが当たり前であった。
差別は、既存のシステムやスタイルに囚われている。枠組みといってもいいかもしれない。
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結局、水の話とほとんど同じである。
(本書は内容がキチンと一貫している)
枠組みを取り払い、人そのものを見ることが重要であるというのは言うまでもない。
「人種の差異といったことをいまだに妄信している人がいるとしたら、あまりに心が狭すぎる。その人はまだ愛を知らないのかもしれない。」
と言っていたという。
4.さいごに(感想)
本書はブルース・リー本人ではなく、死後数十年経った後、彼の記録をもとに娘が書いたものである。
しかも死亡当時、娘は4歳であったこともあり、本書には全く期待していなかった
しかし、文章に力があり、かつ内容も一貫している。軽薄さや薄っぺらさは少しも感じられない。
娘にもブルース・リーの精神がしっかりと受け継がれていると思う。
本書を読むことでブルース・リーの高潔な精神や優れた思想を改めて認識でき、それに多少なりとも触れられた気がする。
(この本は図書館で借りたが、欲しくなったため購入した)
さいごに「水になれ」の全文を載せておしまい。
Empty your mind, be formless, shapeless – like water.
Now you put water into a cup, it becomes the cup,
you put water into a bottle, it becomes the bottle,
you put it in a teapot, it becomes the teapot.
Now water can flow or it can crash.
Be water, my friend.
心を空(から)にしろ。
型を捨て、形をなくせ、水のように。
コップにそそげば、水はコップの形になる
ボトルにそそげば、ボトルの形になり、
ティーポットにそそげば、ティーポットの形になる。
水は静かに流れることもでき、激しく打つこともできる
友よ、水になれ