と言われてしまう恐れがあったため、代表的な著書「エチカ」は彼の本名を使わず、さらに別の場所で発行した。
2.万物には原因が存在する
スピノザの哲学で有名なのは
万物には必ず原因が存在する。
ということ。
分かりやすい因果関係はもちろん、過去の経験、体験、見てきたもの、思考、教育、得意分野など行動や出来事には何かが必ず原因として存在する。
3.最も根本の原因
物事には必ず原因があるとすれば、原因の原因があり、原因の原因の原因があり、、、
という無限ループになる。
じゃあ、一番最初の原因はあるのか?
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スピノザは
「最も根本的な原因は神」
とした。
スピノザのエチカでいう神は宗教的な意味合いではなく、自然や宇宙と同義。
万物の原因
神=自然=宇宙
これこそが、万物の原因。無限の存在で外部がない。何からも影響を受けない。始まりも終わりもない。
これ以上存在の原因を遡ることがでず、その存在規定するのは神自身(=自己原因)である。
4.神の属性
神の持つ属性(延長・思惟)こそが万物、つまり人間、草木、惑星、鉱物などである。
万物は神の結果である個物あるいは、様態である。有限で、他のものから影響を受け、変状する。
6.自由意志の否定
スピノザは万物は原因を持つという点から自由意志を否定する。
自由意志とは
出発点を持たない人間の自由や意識、考え
意思には必ず、何らかの原因を持っている。
自由意志が存在するように思えるがそれは原因を認識できていないだけ。
人間は通常、変状という結果しか認識できない。
7.「エチカ」の目指すべきところ
普通の人は出来事の結果しか認識しない。
つまり、受動的な姿勢である。
一方で賢者はその原因を考えようとする。
スピノザによると賢者は自己、神、物を意識する。
自己は身体+精神からなる。
神(=自然、宇宙)は万物の原因であった。
この意味では賢者は能動的であるといえる。
ところで、人間の基本的な感情は次の3つである。
喜び〜プラスの感情
悲しみ〜マイナスの感情
欲望〜本質的な感情
※欲望はコナトゥス(あらゆる個体の本質。その個体が自らの存在に固執しようとする傾向性)の一様式であるため、人間の本質とされた。
そして、スピノザは次のように主張する。
喜びの感情を能動的に目指すことがエチカの目指すべき方向
スピノザの哲学が喜びの哲学と言われる由縁である。