今年度の4月から家庭相談・児童虐待を扱う部署に異動になった。
サインズ・オブ・セーフティ・アプローチ(以下、サインズ)
は90年代オーストラリアで確立された児童虐待家庭への支援手法で、世界中で取り入れられている。
家族や親族などの強みが子どものために発揮され、それが継続されること
2.原因は追求しない
強みを引き出すみたいな話をしているが、ここで、違和感を感じた人がいるかもしれない。
というのも、一般的にイメージする児童虐待家庭へのアプローチは、、、
なんで子どもを殴るんですか?
なんでちゃんと子育てできないんですか?
詳しい説明は省略するが、これではうまくいかない。
仮に原因を、「父の飲酒」「母のうつ病」「子どもの発達障害」などと特定したとしても、解決には繋がらない。
また、原因が複雑に絡みあって特定することは極めて難しい場合もある。
そして、例えば
など、当人は聞かれても分かるわけがないし、こんな風に聞かれてもムカつくだけである。
原因は追求しないこと
これが重要である。
3.強みを見出す
例えば、父が3ヶ月に一回子供を叩く場合
逆に3ヶ月間は叩かずに我慢出来ているってことですよね。難しいことだと思います。
どうやって我慢したんですか?
腹が立たない時はどんなときですか?
どんな時に子どもが可愛いと思えますか?
このように、質問をしまくるわけだが、
・責めない
・褒める
・上から目線をしない(助言・指導するという気持ちを持たない)
がポイントである?
4.大切なこと
ここまでで、サインズの重要なポイントを紹介した。
なんか、どっかで聞いたことある気がする
そう、カーネギーの「人を動かす」そっくりである。
考えてみると、虐待家庭だろうが、世間一般の人達(社内・家庭・友人・顧客など)だろうが、
同じ人間なのでそのアプローチ方法は同じであるべきである。
「人を動かす」では、相手を立てるといったとが重要であると述べたが、本当にそのとおりである。
それよりも、
同じように、
「殴っちゃダメでしょ!」なんて言っても、
「はい、ごめんない!もうしません!」と言って、本当に虐待が無くなるかというとそんな単純ではない。
虐待家庭と適切な関係を築き上げ、その家庭自体の強さを発揮するお手伝いをするのが、解決方法なのである。
5.まとめ
・原因は追求しない。特定できても解決には繋がらないし、特定できない場合もある。
・やる事はその家庭の強み(ストレングス)をみいだすこと。そのためには、褒める、責めない、上から目線にならないことが重要
・虐待家庭のアプローチも、世間一般の人達(社内・家庭・友人・顧客など)のアプローチも同じと心得る。
以下は、サインズの他に読んだ今の仕事に役立つ本。