Combation 第5話「反撃」 | 瀧太郎の酒場 "水竜"亭

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やがてフィールドの半分を埋め尽くした爆風が晴れ、全貌が明らかになる。



七瀬「うぅ……………………っ」

見ると、壁際で七瀬が右足首を押さえながらしゃがみ込んでいた。
生駒「なぁちゃん!大丈夫!?」

七瀬「だ、大丈夫………………
避ける時に足捻ってまって………………っ!?」

ザッ………………

生駒が七瀬の心配をしていると、6Sの三人が七瀬の前にブキを構えて立ちはだかる。
生駒「ちょっ、あなた達…………………
抵抗できないなぁちゃんを倒して、それで勝っても嬉しいんですか!?」

松村「分かっとるよ、本当はまっちゅんもこんな方法はしたくない」

白石「だが、私達は今バトルをしている…………
情けを捨てるのも、勝つための手段だ

君はバトルをするのは今日が初めてだったな、なら覚えておくといい
バトル中、人はどこまでも勝利に対し貪欲かつ残酷になれる………………

すまないが、倒させてもらうぞ!」バッ

七瀬「っ…………………!」
白石が剣を振り上げると、七瀬は恐怖のあまり目を瞑る。その時、



ヒュン……………………………!


白石の目の前を、エネルギー弾が通り過ぎる。
見ると、生駒が怯えた表情で銃を向けていた。

生駒「僕には………………分かりません
あなた達みたいに、ノギザカで「」と呼ばれる基準が…………


確かに、数日前に来たばかりの僕はダサいです


だけど、そんな弱い者イジメをする人達の方が、僕はよっぽどダサいし格好悪いと思います!!
僕は、そんな人達に負けたくない!」


白石「ふ…………………チームメイト以外で、私に意見を述べる奴は久しぶりに見たな


なら、勝ってみろ!」

生駒「はいっ!」
そう檄を飛ばす白石の顔は不敵ながらも楽しそうな笑顔を見せており、生駒もそれに応じる。

白石「ハァッ!」ドスン!!

生駒「危な………………っと!」パパパパ

白石「ぬぅ…………………っ、今のは危なかったな」
生駒が撃ち込んだ弾のほとんどが白石にヒットし、ダウンするあと一歩まで行ったがギリギリで防がれてしまう。
松村「あの子……………初めてやったよな?
まいやんにダメージを与えるなんてやるやない」

絵梨花「えぇいっ!」


バコォーン!!

松村「なっ………………しもたぁ!?」
絵梨花は隙を見て、松村にハンマーを叩きつける。それは直撃し、相手を一撃でダウンにした。
『いったァ----!!生田選手、6Sチームの松村選手からダウンを奪いました!』
その実況の一声を皮切りに、会場は一層の盛り上がりを見せる。
絵梨花「生駒ちゃんばっかりにいいところは見せられないもん!」

衛藤「やるわね、まっつんに正面からハンマーをぶつけるの何人ぶりかしら」

コロロ…………

と、話す衛藤の足元には六角形を組み合わせた物体が転がる。

キュボン!!
衛藤「ふふ、よくある戦法ね…………不意打ちボムくらい避けられるわ」


七瀬「スキありっ!」

パヒュ--ンッ!!

衛藤「しまっ…………………!」

そこへ、しゃがんだままの七瀬がエネルギーの爆風を躱した衛藤を狙い撃つ。
七瀬が投げつけたのは時間差で爆発するサポートウェポン・ノーマルボムであり、先程のようにボムを囮にすることでフルチャージの弾を確実にヒットさせる技も存在する。



『さぁ、試合時間も残り僅かとなりました!
ここから逆転できるか!?』

絵梨花「!あれは………………生駒ちゃん!」

生駒「えっ、何?」

七瀬「タンクのレバーを引いて!」

生駒「レバー……………これか!」グィッ
言われた通りレバーを引くと、生駒の手元に2メートル弱はありそうな大砲が出現する。
生駒はそれを肩に担ぐと、グリップを握り締めスコープを覗きながら狙いを定める。

生駒「そうか、これがヒッサツ………………

マキシマムシュート!!」

「「行けーっ!」」



ズドゴォ------ッ!!!!

そして引き金を引くと、砲口から大量のエネルギーが壁を突き抜けて太いレーザービームのように発射される。
エネルギー弾は最初に松村を捉え、少しずつダメージを与えていく。
そして松村をダウンさせると、エネルギーはステージをゆっくりと薙ぎ払い、白石と衛藤もエネルギー弾に入る。
しかし、白石は衛藤の前でゴライアスラッガーを地面に突き立て、盾のように自分と衛藤のダメージを減らしていた。

白石「私もバトラーなんだ………………
簡単にダウンしてたまるか!」

生駒「くっ、そぉぉ……………
負ける、かぁぁあっ!!!」

ゴォォウッ!!
すると、生駒の叫びに返事をするかのようにレーザーの出力がアップし、二人により大きなダメージを与える。そして、

白石「くっ、あぁぁぁあ!!!」

衛藤「うぅ、もぅっダメ…………!」
白石と衛藤をダブルノックアウトさせると、試合終了を知らせるホイッスルが鳴る。



『さぁ、集計が完了しました!

果たして、勝ったのはどちらのチームか…………?
皆様、スクリーンにご注目ください!』

Lose
生駒里奈(3ヒット/8ダウン)
西野七瀬(1ヒット/6ダウン)
生田絵梨花(1ヒット/8ダウン)
vs
Win
白石麻衣(9ヒット/1ダウン)
松村沙友理(7ヒット/2ダウン)
衛藤美彩(6ヒット/2ダウン)


『やはり圧倒的!勝利したのは、6Sチーム!
いや………………しかし!相手チームも、大きな実力差を前に大健闘!特に、今回が初バトルという生駒選手は6Sチームを全員から1ダウンを奪っています!』



ワァァァァ------ッ!!!!


会場からは、試合開始前が嘘のように生駒達を称える歓声が上がる。

白石「なぁ」

生駒「!な……………んですか?」

白石「君達は最近チームを組んだばかりなのだろう?なぜ……………ランクSSの私にあのようなことが言えた?」

生駒「うーん………………分からないですけど、


二人とも、僕の大切な人だから…………暴言吐かれるのはイヤだったんです」



白石「…………………………そうか、



君達はこれから更に強くなるだろう


頑張れよ、生駒里奈、生田絵梨花、西野七瀬」


生駒「は………………はいっ!」


この日から、この三人とのバトルを希望するチームが激増したのは言うまでもない事実であった----。