歩きましょう | 松本哲也 オフィシャルブログ Powered by Ameba

歩きましょう



「歩きましょう」は、東日本大震災で被害にあった岩手県大槌町吉里吉里で生まれました。
作者はRIAとノリシゲという僕の大切な音楽仲間と、ノリシゲのお兄さんです。

大槌町吉里吉里にあるノリシゲの実家は全壊、親戚6名が犠牲になりました。
瓦礫を片づけている時に見つけた弦の1本足りないギターで、夜、3人は焚火で暖をとりながらこの曲を作ったのです。 

RIAとノリシゲはそれぞれ東京で活動しておりましたが、震災2日後なんとか東京から実家のある吉里吉里にたどり着き、それからずっと今も吉里吉里に滞在しています。
僕が仲間達と立ち上げた炊き出しキャラバン「いわて三陸復興食堂」にも、自分たちも大変な状況なのに何度も何度も手伝いに来てくれました。

ノリシゲの家族は実家の跡地に、瓦礫から拾い上げた木材をうまく利用して自分たちでCafeを建て営業しています。本当に自分たちでノコギリや金槌を使い、大工なんてやった事もないのに造ったのです。壁は透明なビニールシートですが、本当にセンスのいい素敵なCafeです。

ノリシゲの家族、被災地に暮らす仲間たちの想いを全国の人に届けられるように
少しでも力になれたらと思い、今回アルバムでカバーする事にしました。
多くの被災した人たちがこの曲を自分の曲のように大切にしています。
この曲をもっとたくさんの人に知ってもらいたい。

快くカバーする事を喜んでくれたRIAとノリシゲは、レコーディングにも参加してくれました。
そしてPVにはたくさんの大槌町と山田町の仲間達が映っています。
このみんなの笑顔を是非観てほしい。

そして忘れないでほしい。
瓦礫を退かしたこの町で、みんな今も必死に生きています。