ドラえもんの代表的な秘密道具に『どこでもドア』があります。


自分の望む場所への瞬時の移動を可能にした優れたもので、誰もが欲しがる夢のようなドアです。


今回はそんなどこでもドアについて考えてみたいと思います。




実はこのドアにはある問題があります。



一瞬で目的地に到着できるのですが、旅先での管理が大変になってくるのです。



当然そのままドアを置きっ放しにしておくわけにもいかないので、旅先で持ち運ばなくてはなりません。



ドア本来は持ち運ぶものではないのですが、このドアに関してはそうはいきません。



しかし、この大きさでは持ち運びに向いているとはとても言えません。


なんと言ってもドアです。


持ち運びやすいようになんかできていないのです。



宿泊先の部屋にでも置いておければいいのですが、それでは何のために瞬時に移動しているのかわからなくなってきます。




また、とにかく目立ちます。



ご存知の通り、このドア、まっピンクなのです。


学校へ行こうが、ジャングルに行こうが、砂浜に行こうが、オシャレな街中に行こうが、どこでも浮いてしまいます。


背景に溶け込むことなど絶対にあり得ません。




さらに、ドアの中でもその知名度はトップクラス。



確実に狙われてしまうでしょう。



それが心配で気楽に使えなくなるかもしれないですね。






作品中ではとにかく便利な道具というイメージがあるのは、ドラえもんが管理をしているからなのです!




そう、実はどこでもドアとは!




ドラえもんの四次元ポケットありきの!!




道具なのですよ!!!(どん!)














…と、まあ茶番はさておき、さっそく本題に入りましょう。










では、実際にどこでもドアを使ってみたいと思います。







まずは自分の真後ろにでも移動してみましょうか。





どこでもドアは行き先を決めると…







その場所にどこでもドアが…







現れ…







あれれっ!!?




どこでもドアが二つになっちゃった!!





こんなの見たことないよ。




えーっと、恐らくこっちのドアから入るとあっちのドアから出るんだよな。



ってことはあっちのドアから入るとこっちのドアから出るのかな?



でも、あっちのドアの行き先はもしかして別に指定できるかもしれない…!



じゃあ、あっちのドアを開けるときに、また例えば自分の真後ろを指定したとすれば…。





もしかしてどこでもドアは…。







いやいや、待てよ。



そもそもあっちのどこでもドアはこっちのどこでもドアと同じように使えるのだろうか。



だとしても、あっちのドアからまた新しいドアが生まれるなんてあり得ない。



あっちのどこでもドアの存在はこっちのどこでもドアありきのそれでしかないはずだ。



つまり、こっちのどこでもドアを、やっぱり別の場所~と変えてしまうと、あっちのドアは当然消えてしまうはずだ。




では、あっちのどこでもドアを使って、さらに後ろに移動しようとしてみよう。



そして、あっちのどこでもドアがもっとあっちのどこでもドアを生み出したと仮定してみよう。



すると、こっちのどこでもドアを通過した僕は、あっちのどこでもドアを経由して、もっとあっちのどこでもドアから出ることになると思われる。



このとき、あっちのどこでもドアの存在をどう定義できるだろうか。



僕はあっちのどこでもドアをワープしてもっとあっちのどこでもドアへと移動したとでも言えるのだろうか。



そして、あっちのどこでもドアをその場所から移動させたとしても果たして同じことが起こり得るだろうか。




…。




…。




こっちとあっちともっとあっちのどこでもドアは、考えてるだけではにっちもさっちも行かないので、



実際にドアをくぐり抜けてみようではないか。






一旦話を整理して最初からやってみよう。







まず、どこでもドアの行き先を自分の真後ろに指定する。






真後ろにあっちのどこでもドア現る。





では、どうなってるかこっちのどこでもドアから覗いてみよう。






…。








あれっ。







自分の後ろ姿が見える!!








手を伸ばせば…









自分の背中に…










触れるっっッッ!!!!!




photo:01







































































一一一一一一一あれは、何だったのだろうか。








確かに、誰かが僕の背中を触ったんだ。












それを確かめたくて、恐る恐る、後ろに伸ばした僕の左手は、












やがて、その誰かの右手を掴まえた。





後編へ続く