ちょっと前の話になりますが、シェパードを自転車引きで散歩させている男性がいました。

1周数百メートルの自宅の周りを、かなりのスピードで何周も回っているので、同じ道を散歩していると何度も繰り返し出会うことになります。

 

当然、公道での犬の自転車引きは危険行為にあたり違法です。

道路交通法119条第1項第9号 【車両等の運転者は、当該車両等のハンドル、ブレーキその他の装置を確実に操作し、かつ、道路、交通及び当該車両等の状況に応じ、他人に危害を及ぼさないような速度と方法で運転しなければならない。】

 

スマホのながら運転と同じで安全運転の義務違反にあたり、三月以下の懲役又は五万円以下の罰金。何か事故が起これば飼い主の責任は重大です。

 

(画像は本文とは関係ありません)

 

飼い主さんには何度か注意をしましたが、その時は自転車から降りるものの、出会う時間を避けて走らせているようでした。

 

そんなある日、またかなりのスピードで走らせているのを目撃しました。

その時はシェパードの歩行があきらかにおかしく、腰が落ちた状態でふらふら走らせているのを見て、たまらずもう1周回ってきたところを両手を広げて自転車を止め、

 

違反行為だと今迄何度か注意したこと。

犬を疲れさせる為に自転車引きをしても何の意味もないこと。

舗装された道をそんなスピードで走らせれば、犬が壊れてしまうこと。

犬の歩行がおかしく、何らかの疾患が見られること。

動物愛護推進員の立場から見て、これはあきらかに犬に対しての虐待にあたること。

自分はトレーナーなので、犬の飼い方が判らないのなら聞いてくれ!!

 

と、思わず矢継ぎ早に話したところ、

 

ちゃんと訓練は受けている。

訓練士が自転車引きをしろと言った。

だから何の問題もない。

 

その訓練士と話すので名前を教えて欲しいと言ったのですが、結局教えてはもらえませんでした。

 

その後しばらく姿が見えず、日中はよく数時間吠えていたのに声も聞こえなくなりました。

 

気になって近所の犬事情に詳しい友人に聞いたところ、

 

犬は死んでしまったとのことでした。

 

聞けば、犬は家族に相談なくご主人が勝手に連れて帰り、ご主人が責任持って飼う約束だったが躾が上手くいかず、訓練所に預託訓練に何度か出していた様だったと、

 

まだ仔犬だった頃、一度だけ散歩で会ったときのあどけないシェパードの姿を今も思い出します。

 

『犬は飼い主を選べない。』