大阪の泉佐野市が「犬税」の導入を断念しました。市内の飼い犬が推定8900頭以上に対して、狂犬病予防法登録(蓄犬登録)数が約5千頭(約56%)と低く、徴税経費も大きな負担となるためとの事でした。

http://digital.asahi.com/articles/ASG7R3V9HG7RPPTB004.html?iref=comkiji_txt_end_s_kjid_ASG7R3V9HG7RPPTB004


厚生労働省による平成25年度の全国蓄犬登録数は678万5千頭、予防注射頭数は491万4千頭、予防注射率は72.4%になっています。未登録の犬を含めれば多分50%にも満たないでしょう。東北大震災でも原発による避難地域に残された飼い犬は登録数の2倍もいました。日本国内では根絶している狂犬病の予防注射接種による蓄犬登録では正確な頭数を把握することは永久に不可能と思います。ということは「犬税」の導入も出来ないという事になります。



ではどうすれば100%に近い蓄犬登録が出来るのでしょうか?これは「捨て犬のない国スウェーデン」でも記述している事ですが、生まれたときもしくは初めて飼い犬として迎えられたときにマイクロチップのような蓄犬登録を義務付けするしかありません。



これは「犬税」の導入を現実にするばかりか、犬を繁殖したり飼うことに対しての責任が発生し、無秩序な繁殖・販売と容易な飼育放棄も激減すると思います。



とある愛護センターに行ってきました。愛護センターに収容されている犬を譲渡しやすいようにリトレーニングするボランティアをトレーナー仲間でしています。



収容されている犬の殆どは蓄犬登録のない犬、鑑札のない犬、もちろんマイクロチップなど着けていません。



この愛護センターも収容されている犬の大半が中型犬以上の犬です。小型犬はボランティア団体も多く引き取り手が割とすぐに見つかるそうです。ここは高齢や病気の犬以外は原則殺処分はしていませんが、中型犬以上の大きい犬は引き取り先も少なく1年以上収容されていることも珍しくありません。



ここでも柴系の犬が多く、譲渡率も他の犬種に比べ低いのが現状です。以前「犬種に特化した保護」でも問題視しましたが、どこの愛護センターも柴犬や柴系の雑種が非常に多い。



日本の和犬の代表である柴犬。登録されていない数を含めればおそらく日本で一番飼われている犬種でしょう。愛情豊かに育てている人も多くいますが、その一方で番犬としての外飼い、放し飼いが当たり前の様な地域も多く、不妊手術の費用はもちろん予防注射の費用さえもかけない飼い主もいると聞きます。




日本の番犬文化の弊害ともいえる柴系の犬の収容数。これを何とかできれば犬の殺処分もかなり減るはずと、考えてしまいます。